「ワクチンを打つかコロナに罹るかだ!」 接種の是非巡る漫画が話題 意外な“オチ”にも高い評価

中将 タカノリ 中将 タカノリ

妻に「ワクチンは打たない方がいい。危ない」と言われワクチン接種を迷う友人に「正しい迷い方をしてくれ」「ワクチンを打つかコロナに罹るかだ!」と忠告する主人公…

ワクチン接種の是非をめぐる漫画がSNS上で大きな注目を集めている。この作品を描いたのはこれまでにもさまざまな医療系の漫画を手がけている油沼さん(@minddive_9)。

ワクチン接種しないことのリスクを客観的に解説しておりそれだけでも学びになるのだが、何より輝くのは「実は友人の妻は反ワクチンではなく保険金狙いだった」というオチ。この手の議論につきもののギスギスした空気を吹き飛ばしてしまう鋭いユーモアセンスに、SNSユーザー達からは

「コロナより嫁の狙いが恐かった」

「この世で1番怖いのはウィルスよりも、人間か」

「オチに思わず爆笑してしまいました。そうか、その手の犯罪が・・・本当にあるかも知れない(-_-;)」

など数々のコメントが寄せられている。

油沼さんに話を聞いた。

中将タカノリ(以下「中将」):この作品の着想についてお聞かせください。

油沼:当初ワクチンの安全性について描こうとしていたのですけど、「反ワクチンの方々をあまり追い詰めてもいけないなあ~」と思い、反ワクチンより悪質な人間もいますよねってオチにしました。

中将:作品中にもあったように、現在ワクチン接種をめぐるさまざまな陰謀論が流行しています。油沼さんはそれらについてどのようなご感想をお持ちでしょうか?

油沼:陰謀論で済むほど世界の仕組みは単純じゃないんですよね。陰謀論って「悪者がいる」という前提条件が存在してて「その悪者を倒したら良い世の中になる」という漫画やゲームの世界のような価値観がベースになっていると思うんですけどそう単純じゃないですよね。タリバンが倒されたらISが出てきたように「片方の正義」だけでは片付かないじゃないですか?

中将:作品発表以降の反響についてご感想をお聞かせください。

油沼:ありがたいなと存じております。特に医療関係のかたがたが同意のリツイートをしてくださっているので助かります。また、インフルエンサーと呼ばれる方々もリツイートしてくださってますので正しい知識が広く伝われば良いなと思います。

油沼さん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/minddive_9
5月28日発売「クスリとリスクと薬剤師」(KADOKAWA):リンク
◇ ◇

ワクチン接種を迷っている方も、ワクチン接種のメリット、デメリットについて知りたい方もぜひ読んでいただきたい作品だ。

なお油沼さんは5月に全国の薬剤師からネタ提供を受けた漫画「クスリとリスクと薬剤師」を発売。

こちらも業界の裏表を知ることのできる興味深い内容なので、ぜひチェックしていただきたいと思う。

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