五輪開会式の音楽担当を務める予定だったミュージシャンの小山田圭吾が、19日、自身の公式ツイッターを更新し、音楽担当を辞退することを表明した。
小山田は「この度の東京2020オリンピック・パラリンピック大会における私の楽曲参加につきまして、私がご依頼をお受けしたことは、様々な方への配慮に欠けていたと痛感しております。関係各所にで調整をさせて頂き、組織委員会への皆様へ辞任の申し出をさせて頂きました」と表明。さらに「皆様より頂きましたご指摘、ご意見を真摯に受け止め、感謝申し上げると共に、これからの行動や考え方へと反映させていきたいと思っております。この度は、誠に申し訳ございませんでした」と再び謝罪した。
小山田は1994年1月発行の「ロッキング・オン・ジャパン」と95年8月発行の「クイック・ジャパン」で、障がい者だという同級生に体育倉庫で暴力を振るうなどしたことや、中学時代には朝鮮学校から転校していた同級生にも「一緒に遊んでいた」としながらいじめ行為をしていたことなどを告白していた。今月14日、小山田が開会式の作曲担当に就任したことが発表されると、こうした「いじめ自慢」とも取れる過去の告白が波紋を呼んでいた。
小山田のいじめ問題については、欧米のメディアも報じるなど、世界的な物議に。この日、加藤勝信官房長官が定例会見で小山田について言及。政府の見解としていじめ行為を非難し、東京五輪組織委員会に対し「適切に対応してほしい」と厳命した。一方、東京五輪・パラリンピック組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンは会見で「現在は高い倫理観を持って創作されているクリエイターの1人」とし、いじめ問題が過去のことであることを強調。「大きな貢献をしていただいている。組織委としては引き続き、最後まで準備を尽くしてほしいと考えている」と、留任の方針に変更はないことを改めて明言していた。