アニメ、ホビー好きが高じ、ホビーメーカー・壽屋の「宣伝ランナー」として活躍する陸上・長距離の稲田翔威選手が、15日付けで同社を退社し、今年元日の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)にも出場した強豪チーム・コモディイイダに移籍することが分かった。
壽屋は公式サイトで稲田選手の退社と移籍を発表。「この度、2021年6月15日付で、宣伝ランナー・稲田翔威が退職に伴い、退部いたします。大学時代から当社との縁で2016年に入社し、宣伝ランナーとしてサブカルチャーとスポーツの架け橋となるべく貢献してもらいました。これまでの活動への感謝と次なる先での活躍を期待しております」とした。
稲田選手はこの日、自身のツイッターを更新。「本日付けでコトブキヤ陸上部を退職・退部し、コモディイイダへ移籍することとなりました。今まで支えてくださった皆様には本当に感謝しかありません。宣伝ランナーとして得た経験を生かして、また新たなステージで競技に挑戦していきます!」と、移籍先を公表するとともに決意を示した。
稲田選手は茨城・水城高時代から全国大会で活躍し、順大に入学。2、3、4年時には箱根駅伝に出場した。2年時に7区を走った際、「1人抜かれるごとにフィギュア1体没収」という指令をコーチから受けていたことが話題に。結果は区間15位で2人に抜かれた。3年時は4区で区間6位と好走。逆に2人を抜いた。4年時も7区で4人抜きの区間5位と、学生長距離界でも実力者として名をはせた。
卒業後は、2年時の箱根で「フィギュアランナー」として話題となったことからの縁で、陸上部のなかった壽屋に入社した。稲田選手のために陸上部が発足。同社初にして唯一の「宣伝ランナー」として東京・秋葉原の店舗で勤務しつつ練習を重ね、今年2月の全日本実業団ハーフマラソンでは並み居る強豪の中で98位と100位以内に入る健闘を見せた。
稲田選手は壽屋のサイトで「駅伝を走りたい気持ちと、『実業団のチーム』という高い水準で陸上競技に挑戦してみたいという気持ちが段々と大きくなっていき、今の自分の年齢と、これからの競技人生を考えたときに『チャンスは今しかない』と思い、今回の移籍という道を選びました」と移籍の理由を説明。「コトブキヤの〝宣伝ランナー稲田〟という、全く新しいポストで活躍することができたのも、自社の社員の皆様はもちろん、陸上業界・サブカル業界、双方でお世話になった皆様、日々応援してくださるファンの皆さまがあっての〝宣伝ランナー稲田〟だと思っております。自分の力だけでは、間違いなくここまで成長することはなかったので、本当に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました」と感謝を述べた。今後はニューイヤー駅伝の出場を目指すという。