電子コミックで3億PV超え 不倫ストーリーの新境地『サレタガワのブルー』作者が語るエガクガワ

山下めぐ 山下めぐ

あらゆる物がデジタル化していく現代社会で普及を深める電子書籍。特に電子書籍化率と読者数が著しく増加しているジャンルはマンガだそうだ。

そんな中、累計3億PV超えの大注目を集めるのは、集英社が運営する電子コミックアプリ「マンガMee」で連載中の『サレタガワのブルー』。今年1月からの休載を経て第2章が公開された際には、SNS上は多くの読者からの「おかえりなさい!」「待ってました!」という歓喜の声であふれた。5月25日には単行本が発売、また7月13日からMBS/TBS系列でドラマのスタートが発表されるなど、巷に本格的な“サレブル人気”が訪れている。

主人公・田川暢(たがわ のぶる)は、最高にかわいい最愛の妻・田川藍子(あいこ)と順風満帆な結婚生活を満喫中。自宅でデザイナーとして働きながら家事をこなし、毎晩仕事で帰りの時間が遅い藍子を支えていた。しかしある日、藍子に限ってそんなことはないと思いながらも、藍子の不倫現場を周囲の知人や暢自身も目撃してしまい―――。

不倫を“した側”と“された側”の心情を細かに描いた、リアリティある人情劇。サレブル作者のセモトちかさんにお話を聞いてみた。

山下めぐ(以下「山下」):「サレタガワ」とあるように、不倫をされた側の視点で描かれたストーリーはこれまでなかったと思います。この作品を描くきっかけは何だったのでしょうか?

セモトちか:私自身、昔から不倫を題材としたドラマや映画・漫画が大好物でものすごい量を見てきたのですが、やっぱりその大半は「禁断の愛」「切ない」「ロマンチック」といったモノが多くて。それはそれでエンターテイメントとしてとても楽しいしドキドキするし、いつの時代も需要はあるのですが、現実で考えた時に「不倫・浮気された側」ってつらく苦しいものなんですよね。夫婦の3組に1組が離婚すると言われる今の時代ですし、「ちょっとリアルな、“された側”の心情をえぐったエンターテイメント」があってもいいのではと思い、構想しました。

山下:なるほど、この離婚多き時代だからこそ通じるものがある新感覚なエンタメですね。アプリには1話ごとに読者が自由にコメントを書き込める機能がありますが、ご覧になられたことはありますか?

セモトちか:もちろん、たまにですが見ます。皆様から感想をいただけてとても嬉しいです。あたたかいコメントも厳しいコメントも、いろんな意見があって然るべきだと思っています。今の時代ならではですが、コメント欄に心折れて、志半ばで描くのを辞めてしまった才能ある漫画家さんも多く見かけます。いち漫画好きとしては、お気に入りの作品が途中で読めなくなることが、一番悲しいです。私は、私のことを応援してくださる熱い読者さんだけは絶対に悲しませたくないので、末長く描き続けられるよう「強くなりたい!!」と常に思っています。

山下:セモト先生の「一マンガファン」としての、様々な作品に対する熱い愛情が伝わりました。その想いが、縦読みスクロールで見るこの作品にも表れていると思います。普通は紙の漫画本を読むように横にスワイプして読むと思うのですが、この縦読みという描き方で描かれる時のポイントはありますか?

セモトちか:たくさんありますが、一番は「間」を大切にしています。時間経過の表現のために空間を長めに取ったり、昼から夜になるのをスクロールしていくなか、色で表現したり。会話のシーンではテンポの早い会話ならコマ間を詰めてギュッと描いたり、逆にゆったりした会話ならコマ間も広めにしたり。スクロールの指の動きと展開のスピード感はなるべく比例するよう、コマの配置は気にしています。スマホのサイズ感も考えながら。「スッ!スッ!」としていく時にドキドキわくわくしてもらえるよう、日々試行錯誤しています。

山下:最後に、待望の第2章の見どころと読者へのコメントをよろしくお願いいたします。

セモトちか:第2章では、まだ回収していない伏線や、「嘘だろ!?」というような展開もたくさんご用意しております。人の人生が簡単ではないように、漫画の中でも「離婚後に待ち受ける様々なされた側のブルー」があります。1話から読み返してもらうとわかりやすいと思うのですが、未熟で欠点だらけのキャラクターたちの精神的成長を、親戚感覚で見守っていただけると嬉しいです(笑)。 また、多くの方の応援やお力添えのおかげで単行本発売・ドラマ化という大きな夢が実現できました。とても言葉では言い表せないほど嬉しく夢のようです! 周りへの感謝を忘れずに、これからももっと面白い漫画を描き続けることが皆様への恩返しだと思っています。どうぞお楽しみに…!!

 ・マンガMee『サレタガワのブルー』https://manga-mee.jp/trial_reading/sareta_001/trial_001.html

・単行本『サレタガワのブルー』1巻https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-844470-3

◇ ◇

「嘘だろ!?」という展開があるとなるとますます気になる今後の『サレタガワのブルー』。現在、マンガMeeでは毎週金曜に最新話を更新中。ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

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