マツコが認めた“エアコン愛” 真魚の異能イラストから見た未来図「かなりのナイトメア」

山本 鋼平 山本 鋼平

 イラストレーターの真魚さん(42)は、あふれるエアコン愛を作品に込めてツイッター等で発表している。2018年には人気テレビ番組「マツコの知らない世界」に出演。室外機をテーマにトークを展開し、イラストとともにマツコ・デラックスから呆れられるほど感心された。日本においては完全に一般化したといえるエアコン。真魚さんにその未来図を聞いたところ、悪夢と希望が混在する論考を寄せてくれた。

 そもそもエアコンとは何か。その前提から論考は始まる。

 「エアコンという定義は次の4点が要素となります。(1)温度調節(2)除湿(3)空気の循環(4)空気清浄。これは、エアコンの父と呼ばれるウィリス・キャリアが、20世紀初頭にエアコンを定義して特許をとり、事業を始めた時から決まっていることです。基本的にこの条件を満たさないと、エアコンとして名乗ることが出来ません。逆に言うと21世紀現在、エアコンという製品分野は完成していて、過当競争化も久しく20年くらいとなりました。様々な条件、要素を勘案すると、おそらくエアコンの基本概念や基本的な形状はこの先大きく変わることはなさそうです」

 続けて厳しい現実を指摘した上で、その解決策を技術者に求めた。

 「あえて技術的しがらみを無視して希望を言うことを許していただけるのであれば、迅速に低環境負荷自然冷媒を普及していただきたいです。最新の代替フロンガスはオゾン層破壊係数こそゼロですが、温暖化係数は二酸化炭素の650倍です。これでも相当頑張っている数字なのですが、今後これが、どんなに回収を頑張っても大気中に漏れるわけですから、末恐ろしいことです。辛辣に申し上げて、エアコンと人類の未来図はかなりのナイトメアです。なにかバラ色のことを考えたいところですが、進行中の現実が無視できないほど辛辣で、過激です。ちなみに自然冷媒というのは二酸化炭素のことです。圧縮活用方法が技術的に高度で、費用対効果を主とした特性もエアコン向きではないとされ、ごく一部の業務用冷蔵設備や、エコキュートなどの蓄熱給湯器で使われています」

 続いて希望的な未来図について言及。日本経済の活性化につながる要望を挙げた。

 「各社いろいろと新しい付加価値を頑張っていらっしゃいますが、そんな現代のエアコン製品でぜひやってみていただきたいことは、日本のエアコン各社が一同に会して、旨味のある機能を1機種に融合させていただきたい。そんな希望があります。例えば、加湿機能ではダイキンの『うるさら』が本当に素晴らしいものです。空気清浄となればシャープの『Airest』、三菱電機は気流制御とリモコンのデザインとモーターのコイル、日立のインバーターと再熱除湿とスクロールコンプレッサー、Panasonicの生物模倣ファンに蓄熱除霜器、細かいことを言えばもっと膨大なことになるのですが、こうしたものをとにかく一つにまとめて、iPhoneのようにブレのない問答無用の高付加価値と、絶対的規格性、欲張りすぎない価格設定と真に巧みな商戦術で世界に打って出て、日本の産業に活力を戻して欲しい、という夢想があります。スティーブ・ジョブズのような馬力ある帝王が現れない限り、恐ろしく絶望的に難しそうですけれども、なんでもかんでも中国製、中身を開けても中国製部品だらけというのは、全てが日本製だった時代に多感な幼少を過ごした者には深刻な欲求不満なのです」

 さらに宇宙時代に思いをはせ「あと未来といえば近い将来、というより既に、人が宇宙に出ていく際に大変重要なのがエアコンです。生命維持装置ともいいます。SFの発想に自由度が許されるように、宇宙時代におけるエアコンの進歩は、いまのところ無制限が約束されている、という楽しみはあります」と論考を締めくくった。エアコンの魅力と課題が、凝縮されているように思えた。

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