アイドル活動に行き詰まりを感じていた中で、「全部を諦めてしまうのはイヤだなと。それまで、何かをめっちゃ頑張ったかというと、大人の人の力で仕事をもらってやってきてたから、自分で何か頑張ってはいなかった。だから、これが無理だったら諦めて辞めようと思ってやってみた」という“背水の陣”が、予想以上の反響を生んだ。当時はまだ、YouTube配信を行うアイドルはほとんどいなかった時代。「すごいとこに飛び込んじゃった感じがあって、それは結構言われました。『アイドルでユーチューバーって、どういうこと?』って」と笑った。
「最初に再生回数が結構ぽんと伸びてすぐ1万回行って、気づいたら10万回。AKBグループじゃない戦いで自分に数字や成績つけられることが初めてだった」という吉田。「ツイッターのフォロワーさん、インスタのフォロワーさんも増えていって、『48グループ』という“村”の中でしか戦ってなかったのが、外に出たことによって分母が増えたことに気づいた」と、目にした新たな風景から刺激を受けた。
吉田が配信しているのは、メイクを中心とした美容系コンテンツ。「アイドルのメイク術なんて、ある意味タブーというか企業秘密みたいなもの。それを一発目に破ったというのは、大きかったんじゃないかなと。タブーだからこそみんな気になるし…」と、狙いは的中した。人気が爆発し、コスメブランド「B IDOL」も立ち上げ。こちらも好調で、3月22日には新商品「つやぷるリップ 新色 ましあがれマンダリン」「THEアイパレ 限定色 気ままなオレンジカーキ」「愛ラッシュマスカラ 全3色 アイドルブラウン・流し目ブッラク・デカ目ブラック」も発売する。
単にメイクを伝授するだけではなく、視聴者を楽しませるトークも必要となる。「台本も書かずにやってるし、自分で編集のことまで考えて、構成とかも全部頭の中でできるようになったから、他の仕事にもいい影響を与えてくれてます。それ以前に、アイドルを5年やって、バラエティーも撮影のお仕事もやって、握手会で男性受けも女性受けも考えて、自分の盛れる角度も知ってて、トーク力もMCとかで鍛えられたので、アイドルやって良かったなとすごく感じます」と、元々の“職能”も生かし、タレントとの相乗効果にもつなげている。