大学准教授から映画監督に転身 YouTube編集も…沼田浩一監督が映画「風の吹くまま」語る

山本 鋼平 山本 鋼平
沼田浩一監督と「風の吹くまま」に出演した野村由貴(右)
沼田浩一監督と「風の吹くまま」に出演した野村由貴(右)

 沼田浩一監督(45)による映画『風の吹くまま』の上映会が2月4日から6日まで、大阪・十三の「シアターセブン」で催される。沼田監督は宝塚大学准教授として映像制作、アニメーション、映画史やアニメ史を担当し、19年3月に退職。「やりたいことをやれる最後の年齢だと思いました。今まで学生の作品作りをサポートしてきましたけれど、自分の作品を作りたくなりました」と話した。

 前衛的な映像は手がけてきたが、劇作品は初挑戦。落語家が先に売れた後輩に対する葛藤に向き合いながら、芸を磨こうと立ち上がる物語。かつての教え子の手を借り、撮影は昨年9、11月に行われた。上映時間35分、終盤の落語シーンが見せ場だ。6日の回では、上映が途中で終わり、落語家役の俳優が登壇して、劇中と同じ落語を披露する。

 作品について「必要なセリフ、必要な場面が短く繰り返される最近の作品への違和感を表現しました。地味でもコツコツ頑張る人を応援したかった」と説明。他にアニメーションを含む過去に手がけた短編映像3作品が併映される。

 大学を退職後は、フリーでYouTubeなどの映像編集を手がける。一方、大阪市内で古本売り場を提供するみつばし古書部、書肆七味(しょしひちみ)にて膨大な蔵書を元手に「ちくわや書店」を展開している。

 また、小説家にも意欲を示し、新人賞に向けたファンタジー作品を完成させた。「思いのほか大作になってしまい、計算したら文庫本で350ページを優に超えてしまいました」。規定を大幅に逸脱してしまい、苦笑いを浮かべた沼田監督。何にせよ、夢への思いは膨らむばかりだ。

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