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【高校受験】「内申点」最大化する11月定期テスト対策~親が陥る「2つのNG」と「3つの必勝サポート」~

受験

鈴木詩織 鈴木詩織
画像はイメージです(maaagram/stock.adobe.com)
画像はイメージです(maaagram/stock.adobe.com)

 高校受験生の保護者の皆様、こんにちは。「おうち受験コーチング」代表の鈴木詩織です。

 「受験本番は2月や3月なのに、11月のテストでそんなに焦る必要があるの?」

 そう思われるかもしれません。しかし、高校受験の合否は、当日の学力検査だけで決まるのではありません。

 特に公立高校では、「当日点」と「内申点(調査書点)」の合計で合否が決まる地域がほとんどです。そして、その内申点を決定づける最後の大きなチャンスが、まさにこの11月に行われる定期テスト(2学期期末テストなど)なのです。

 私立高校の推薦や併願優遇の基準も、このテスト結果でほぼ確定します。このテストは、受験本番と同じ重みを持つ「もう一つの入試」であると、まず親御さんが認識することが重要です。

 では、この大事な時期に、親は子どものために何ができるでしょうか。親御さんが陥りがちな「NGサポート」と、本当に効果的な「必勝サポート」を3つのポイントでお伝えします。

 NGサポート①:全教科を「全力で」頑張らせる

 まず、親御さんが陥りがちなのが、「全教科、全力で頑張りなさい!」と応援することです。一見、正しい応援のように聞こえますが、実はこれが内申点アップ戦略としては非効率な場合があります。

 (失敗例)…内申点、特に通知表の「3」は非常に幅が広いのをご存知でしょうか。例えば、30点でも「3」、70点近くでも「3」ということがあります。あるお子さんは、全教科で80点を目指して勉強時間を均等に割いた結果、元々70点近かった教科も、30点だった教科も、どちらも点数は上がったものの通知表は「3」のまま変わらない…という悔しい結果になってしまいました。

 必勝サポート①:「戦略」を立て、力を注ぐ教科を絞る

 この時期に必要なのは「戦略」です。まずは現状分析をしましょう。「あと少しで通知表が『4』に上がりそうな教科はどれか」「逆に、少し点数を落としても『3』をキープできそうな教科はどれか」をお子さんと一緒に冷静に確認しましょう。

 (戦略)…点数を上げ下げしても通知表が変わらない教科(例えば40点の教科を50点にするなど)に注ぐ力は最小限にし、「あと少しで通知表の点数が上がる教科」に絞って勉強時間を集中投下する。これが内申点を最大化する現実的な戦略です。

 (魔法の声かけ)

「全部頑張るのは大変だから、今回は『4』が狙えそうな〇〇(教科名)に集中してみない?」―このように、親御さんが冷静に分析を手伝い、力の入れどころを一緒に考えることが、最短距離での内申点アップにつながります。

 NGサポート②:「受験勉強」と「テスト勉強」の混同

 この時期、もう一つの大きな悩みは、「うちの子、テスト範囲の勉強ばかりで、1・2年生の復習(受験勉強)をやっていない!」ということではないでしょうか。

 (失敗例)…以前、こんなお子さんがいました。親御さんが「受験勉強(総復習)は進んでる?」と毎日声をかけ続けた結果、お子さんは焦って総復習に手を出し、目の前のテスト勉強がおろそかになってしまいました。結果、内申点を落とし、志望校のランクを下げることになってしまったのです。

 この時期の最優先課題は、あくまで「目の前の定期テスト勉強」です。

 (注意点)…ただし、学校によっては、中学3年の2学期のテスト範囲に「中1・中2の内容」が含まれることがあります。その場合は、当然ながら中1・中2の範囲も「テスト勉強」の一環です。

 親御さんが確認すべきは、「テスト範囲」に集中しているかどうかです。「テスト範囲外の受験勉強」は、今は後回しで良いのです。

 (NG声かけ)
 「テスト勉強ばかりで受験勉強はいいの?」―この言葉は、子どもの集中を妨げ、戦略ミスを招くだけです。

 必勝サポート②:「計画の見える化」と「環境整備」

 子どもがテスト勉強に全集中できるよう、親は「戦略的サポート」に徹しましょう。

 1.計画の「見える化」

 まずは「何を」「いつまでに」終わらせるかを明確にします。

 「テスト範囲、全部書き出してみようか」と声をかけ、教科ごと・単元ごとに「やることリスト」を一緒に作成します。

  重要なのは「終わったら消していく」こと。親御さんは「こんなに進んだね」「順調だね」と、結果(点数)ではなく進捗(プロセス)を承認する役割に徹してください。

 もし計画通りに行かなくても、叱りつけるのではなく、「どうやって挽回しようか?」とできるだけフラットな声かけをします。親に対してどんな態度をとっていたとしても、お子さんも困っているのだ、ということを忘れないようにしましょう。

 2.環境の整備

 子どもが「集中できない」原因(スマホ、ゲーム、漫画など)を物理的に遠ざけるサポートをします。

 ここでも効くのが「魔法の声かけ」です。

 「テスト終わるまで、スマホ預かっておこうか?」

 「リビングで一緒に勉強する?」

 このように、強制「~しなさい」ではなく提案「~しようか」の形を取ることで、子どもの自主性を尊重しつつ、環境を整えることができます。

 必勝サポート③:子どものやる気を削がない「声かけ」

 この時期の子どもは非常に敏感です。親の不安はすぐに伝染します。

 「勉強しなさい!」は、最も効果のない言葉です。親の役割は、勉強の「管理」ではなく「体調管理」と割り切りましょう。

 (魔法の声かけ)

 「夜食、何にする?」

 「お風呂沸いたよ。一度リフレッシュしたら?」

 「睡眠時間だけは確保しようね。暗記は寝る前がいいらしいよ」

 親がすべきは、勉強内容への口出しではなく、子どもが万全の体調と精神状態でテストに臨めるようにする後方支援です。

 まとめ:テストが終わった「後」こそ、合格へのスタート

 テストが終わったら、まずは「お疲れ様」としっかり労ってください。そして結果が返ってきたら、点数に一喜一憂せず、「間違えた問題」こそが「宝の山」だと伝えましょう。

 テストの「解き直し」こそが、受験本番に向けた最高の「弱点克服ドリル」になります。この11月のテストを親子で乗り越えたという自信が、受験本番までの残り数ヶ月を支える最大のエネルギーになるはずです。

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