こんにちは!アップ教育企画・進学館の齋藤と申します。
秋も徐々に深まり、高校生や中学生はもちろん、小学生であっても受験生は日増しに心の穏やかさを保つことが難しくなっていると想像します。もちろん保護者さまも同様だと思いますが、子どもたちは感じた不安を他者に共有するのが上手でないことも多いので、ご多忙な中でも親子のコミュニケーションは(気楽な話題も存分に散りばめて)しっかりと確保してくださいね。
ところで、不安を感じる理由って何?…受験生であればシンプルに「合格できるか」で相違ないでしょう。では、入試本番まで1年以上ある方々にとって、不安材料は「対戦相手(=受験校)がどんなものか?」が把握できないことから生じやすいと考えております。
私が担当する中学受験も、「生き物」と分類してよいのでは?と思うほど変化に富んだもので、2026年度の近畿内における入試日程だけでも、20校以上の中学校で昨年までの日程形態から変更があります。
新しいコース設定、新しい試験科目、募集対象(本年度より女子だけの募集から男女募集になった中学校として、松蔭・園田学園・京都光華が挙げられます)や学校名まで、ふと気づけばとんでもない変化があったりします。
間近の大学入試の複雑さに卒倒しそうな高校生の保護者さまもそうですが、中学生や小学生の保護者さまにとっては、先に進めば進むほど視界が危うくなる入試の世界の複雑多岐具合に、軽い絶望感のようなものを覚えてしまうこともあるかと思います。中学受験・高校受験・大学受験のイロハを一気に知り得る機会を創出すれば保護者さまのお役に立てるのでは?
そのような考えを具現化すべく、10月13日(祝)に「全学年通貫受験セミナー」を宝塚のソリオホールにて開催いたしました。大学入試に挑む高校生の保護者さまが、すでに終えた高校・中学受験の話題に関心があるか、あるいは小学校低学年の保護者さまが、はるか先ともいえる(=お子さまがステージに立つ頃にはきっともろもろ変化している)高校入試や大学入試の知識吸収に意欲的かなど、言わずもがなの懸案事項がある中、当日はそれらを吹き飛ばす盛況ぶり。全学年の入試の話をすべてお聞きいただくという同セミナーの趣旨を理解しご参加くださった保護者さまは、熱心に各受験スペシャリストの話に耳を傾けてくださいました。
もちろん、各学年だけを深掘りしたセミナーにも価値があり、アップ教育企画でも多く実施しておりますが、全学年を通貫する内容をイメージすることで、該当学年の入試理解度が増すことも確かな実感としてありますので、このような機会は以後も提供させていただきたいと考えております。
そちらのセミナーでも紹介いたしましたが、関西の中学受験で徐々に増えている入試形態として「1科目入試」というものがあります。屈指の伝統校である巣鴨中学校でも導入されるなど、数年前から首都圏で注目されはじめたこのスタイル、関西でもさらなる発展がみられるかもしれません。ただ、きわめて個人的な考えで言葉を紡ぐとすれば、中学入試において1科目で受けられるお手軽感が広がりすぎない未来であってほしいと考えております。
生涯学習量を増やし、将来の学びのキャパを広げるという確かな使命が中学受験にはあります。得られる切符(=○○中合格)の価値と同等か、それよりも大きなものを受け取っていただけるよう、受験勉強そのものの意義を高めてまいりたいと思います。
秋深まり、少しずつ、そして確実に近づく入試。不安と希望が入り交じる中、もうすぐ新たな一歩を踏み出す若者たち、および彼ら、彼女らを支えるすべての保護者さまに、一層のエールを送らせていただきます。