受験生たちへ〜現役京大医学部生がオススメ「最強のメンタル」本番の想定と”逃げ道”がカギ

長谷川 蓮 長谷川 蓮
画像はイメージです(ハヤマ/stock.adobe.com)
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 国公立大学の前期試験(2月25日〜)が迫ってきた。共通テストを終えた受験生の多くは、挑戦、ボーダー上、逃げ切り…さまざまな立場で個別試験に立ち向かう。しかし、いくら対策をしていても不安は尽きないものだ。現役の京大医学部生であり、入試で抜群の強さを発揮してきた気鋭のライター・長谷川蓮が、本番に対応した「最強メンタルの保ち方」を当サイトに寄稿した。

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 誰しもが一発勝負の受験では大いに緊張しますが、それは人生がかかっているからなのでしょうか?いいえ、私はそうは思いません。受験生の皆さんが緊張する本当の理由は、人間は初めての体験に緊張するという習性があるからだと考えます。この記事では、受験において、いかに他の受験生よりも緊張しないでいるかを受験生とその親の両面から話していきます。

 まずは受験生からですが、大前提として、緊張しない方法などありません。それは先ほども言った通り、受験生は皆初めての体験をするからです。私が思うに、緊張を和らげる最も合理的な方法は、日頃から受験本番を想定すること、そして“逃げ道”を作ることです。

 受験生の皆さんは、本番当日に食べるご飯のことについて考えたことはありますか?大半の人はないでしょう。そういった些細なことも全て想定しましょう。具体的に言えば、今からでも当日と同じ時間に起き、同じ食事をし、同じ勉強方法をするのです。そうすることで、“初めての体験”を少しでも減らすのです。

 また、それは本番当日に普段と同じ行動をすることでも実現できます。私が意識していたことは二つあります。一つは昼食を友人と外で食べること。普段私は友人と話しながら昼食を取っていましたし、誰かと話すことで普段のメンタルに近づくことができるからです。閉鎖的な空間で独り黙々とご飯を食べることは精神衛生上宜しくないことは想像に容易いでしょう。

 二つ目は、本番当日は絶対に勉強しないことです。単純な話ですが、受験直前に参考書で目にした箇所が運よく試験に出る確率よりも、受験直前に理解していない部分を見て、余計に焦ってしまう確率の方が断然高いです。ですので、試験当日は勉強するのではなく、音楽を聴いたりして、リラックスして待機しましょう。その際、周りを眺めてみるといいです。皆必死に勉強しているけど、自分は落ち着いて試験に臨めていることに気づき自信がつくでしょう。

 また、“逃げ道”とは不合格でも大丈夫だという考えです。実際、私は中学受験の時は合格が全てだと考えていたこともあり、異常な緊張をしましたが、大学受験はその失敗から学び、気を楽にしていたおかげで、それほど緊張することなく、実力を発揮することができました。

 確かに合格すれば、うれしいです。でも、合格することがあなたの人生のゴールではないはずです。自分なりでいいので、長い長い人生を想像してください。受験の合否がそれほど大きな意味を持つでしょうか…。不合格になってしまったことが、逆によりよい未来につながった人もみなさんの周りにいるのではないでしょうか。

 ですので、精一杯努力すれば、それで十分です。合否は一時的な評価であって、その後の人生の良し悪しを決めるのはあなた自身であり、合否ではありません。そう思い込めたら、気持ちがグッと軽くなるはずです。

 そして、保護者のみなさんについてですが、親の緊張は子に伝わってしまいます。ですので、保護者はドンと構えて、受験なんて大したことじゃないと伝えていただきたいです。実際、私の家族は受験当日、京都で観光を楽しんでいましたし、受験だからといって普段と変わったことをすることもありませんでした。私としては、両親の姿を見て、本当に心強いなと安心することができました。

 最後に、受験生に向けて、最も大切なことを伝えます。あなたたちの志望校は試験で失敗しないことなんか全く求めていないのです。むしろ、受験は失敗を経験できる貴重な場です。つまり、受験で求められることは、失敗してなお、めげずに最後まで粘ることです。各受験生の置かれている状況にはよるとしても、多くの人が失敗する中、最後まで諦めず、落ち着いて粘ることができれば、自ずと合格に辿り着くことができるはずです。

 私から言えることは、受験など大したものではないということ、そして、受験において求められていることは、失敗して追い込まれてなお、平常心を保つということではないでしょうか。受験生の皆さんが望む結果を得られることを心から願っています。

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