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【中学受験】受験生だけどゲームします。しかも“いつでもOK”の理由とは

受験

野田 茜 野田 茜

 中学受験において、親は勉強時間の確保を優先したいと考えがちだが、子どもはまず遊びや自由時間を大切にしたいと思っていることが多い。なかでもテレビゲームに夢中になる子は多く、親子の気持ちがすれ違い、勉強とのバランスに悩む家庭も少なくないだろう。

 ゲーム好きの兄弟がいる筆者の家でも、中学受験とゲームの両立は大きな課題だった。そこで、塾なしで2022年に中学受験を終えた長男(現在高校1年生)と、現在受験勉強に取り組んでいる小5の次男、それぞれがどのようにゲームと付き合ってきたかを振り返ろう。

 筆者の家のルールは、中学受験生がいる家庭としては少し変わっているかもしれない。基本は「やることが終わったらゲーム」ではなく、「1日あたりのプレイ時間が決まっており、その範囲内であればいつ遊んでもよい」という方針だ。現在は、月曜〜土曜はテレビゲーム30分、PCゲーム30分まで。日曜はそれに加えて、YouTubeを30分視聴できるようにしている。

 ルールは親が一方的に決めるのではなく、長男・次男・筆者の3人で話し合って決めている。変更したくなった場合も、その都度相談して見直す。「やることを終わらせてからゲーム」という方式にしなかったのは、長男が小5のときにそのやり方でうまくいかなかった経験があったからだ。

 長男が小5だった当時は、勉強を終えてからゲームをすることにしていた。ところが本人は、勉強中も「あと何分でゲームできるか」が気になってばかりで、明らかに集中できていなかった。そこで、まずはゲーム時間を確保し、その後にできる範囲で勉強するという方針に変えたところ、気持ちを落ち着けることができた。

 この経験から、次男の学習でも「ゲームは勉強のご褒美ではなく、日々の生活の一部」と考えることにした。もちろんゲームだけして勉強しない日もある。でも、好きなことを思い切り楽しむ時間を確保することは、子どもの健全な成長に欠かせないと感じている。

 長男は、受験当日の朝もゲームをしていた。普通なら「大丈夫なの?」と不安になるかもしれないが、本人はいつも通りのリズムで過ごすことで、気持ちを落ち着けていたようだ。ゲームがあるからこそ、受験期のストレスもコントロールできたのだと思う。

 中学受験における「正解」は家庭ごとに異なる。わが家の場合は、「まず好きな時間を確保する」→「その残り時間でどれだけ勉強できるかを考える」という順番で取り組んできた。もちろん、すべての家庭に合う方法ではないかもしれない。ただ子どもの性格や家庭の価値観に応じて、柔軟にルールを作っていくことが、無理なく受験を乗り越えるための一つの方法なのだと実感している。

 勉強と遊び、どちらかを我慢させるのではなく、子どもが納得しながらバランスを取っていく。その手助けをすることが、親の役割だと感じている。

<プロフィール>

野田 茜

 2男1女のママライター。2022年、高1長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値(四谷大塚)60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。

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