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【中学受験】「教えられない親」が中学受験をどう支える? 我が家の“生徒役”作戦とは

受験

野田 茜 野田 茜

 中学受験の「親の伴走」と聞くと、親が勉強を教える姿を思い浮かべる人が多いかもしれない。だが、実際に中学受験に挑戦した息子を持つ親の筆者は、国語以外の教科はまったく自信がなく、特に算数は小学校の高学年あたりからすでに危うく、教えるどころではなかった。それでも次男が塾なしで受験勉強を進めている今、親としてどんなふうにサポートできるだろうかと考えてきた。

 そもそも筆者は、算数について苦手意識がかなり強く、できれば関わりたくないというのが本音だ。とはいえ平日はほぼワンオペのため、小5の次男が勉強する時間は自然と筆者がそばにいることになる。教えることはできないため、一緒に考えるか、あるいは次男から解説してもらうのが日常になっている。

 たとえば算数では次男がテキストを読み、例題を解きながら「これはこうやって解くんだよ」と筆者に説明してくれる。そして「ママ、本当にわかった?」と、説明を終える度に次男は筆者に理解度を確認するため、筆者も真剣に耳を傾けている。きちんと理解するために、わからないところは次男にどんどん質問する。「どうしてこの計算をするの?」「今、何を求めているんだっけ?」「この数字の単位ってなに?」と、自分でも情けなくなるような基本的な質問にも、次男は根気よく何度でも説明してくれるのだ。

 正直、この時間にどれほどの意味があるのかはわからない。むしろ次男の勉強時間を無駄に長くしてしまっているのではと、申し訳なさすら感じることもある。けれど、真剣に教えようとする次男に対して、筆者も真剣に理解しようとすればするほど、どうしても質問が増え、そのぶん時間も伸びてしまう。

 そんなやりとりを、次男はむしろ楽しんでいるように見える。もともと教えることが好きなのかもしれない。そのため筆者の家にとっては、これが無理のない関わり方なのだと思う。

 勉強スタイルは家庭によってさまざまだ。筆者のように勉強が得意でなくても、子どもの学びに寄り添う方法はある。変わったかたちではあるが、筆者なりに関わることができているのは面白いと感じている。

 不思議なことに次男は算数が得意で、時に偏差値が70を超えることもある。なにがどう作用しているのかは正直わからないが、今後も次男が求める限りは、生徒役を続けていきたいと思っている。

<プロフィール>

野田 茜

2男1女のママライター。2022年、高1長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値(四谷大塚)60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。

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