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【中学受験】息子の受験本番直前に休職!家族に起きた“想定外”にどう対応した?

受験

野田 茜 野田 茜

 中学受験を控える家庭にとって、冬の直前期は1年でもっとも緊張感が高まる時期だ。家族全員が一致団結し、子どもを支えることに注力するなか、思いもよらぬ出来事が起きることもある。筆者の家庭でも、まさに「なんで今?!」という出来事が起きたので振り返ろう。

 それは2021年の12月、長男(現在高校1年生)が中学受験の最終調整に入っていた時期のことだ。ある日、筆者は夫に突然「来週からしばらく休む」と告げられた。あまりに急な話で、「えっ!今?!」というのが率直な気持ちだった。忙しいのが当たり前になっていた生活のなかで、まさかの休職。理由は心身の不調で、休職期間は約1か月ということだった。

 そもそも長男は塾に通わず自宅学習で中学受験の勉強を進めており、夫は主に算数と理科を担当し、仕事の合間に勉強をサポートしていた。そのため夫の体調を気にかけつつも、家にいるなら「平日も勉強を見てもらえるのでは?」という期待が頭をよぎったのも事実だ。

 とはいえ夫は「休職」中であり、本来の目的は療養である。まずは回復を最優先にすべきだと思い、夫の負担を増加させるのは違うと考えた。そのため筆者は、夫にはできるだけ自由に過ごしてもらうことにした。

 一方で、長男には夫の状態を特に詳しくは伝えず、いつも通りであることを大事にした。勉強のスタイルも変えず、あくまで必要なことを長男のペースで淡々とこなすことに徹した。

 この時期、夫がこのまま職場に戻れなかったらどうしようという不安がなかったわけではない。だが、私は「もし辞めることになっても、『わかった』と返そう」と心に決めていた。中学受験が終われば私自身も再び働くつもりでいたし、当面の生活費は確保していたことや、ずっと走り続けてきた夫には一度立ち止まる時間が必要だと考えたことが理由だ。また、不安よりも「今この時間を大切にしよう」という気持ちが勝ったのだ。

 約1か月後、夫は予定通り復職した。家庭内に大きなトラブルはなく、空気も穏やかに保つことができた。中学受験本番の2月には、夫はすでに通常勤務に戻っており、当日の送り迎えなどはなく、長男と2人で駅まで歩いて試験会場へ向かった。

 当時は、「あと1か月休職がずれていたら本番もいろいろサポートしてもらえたのになぁ」と、不謹慎ながら思ったりもしたが、今になってみれば、元気に戻ってくれただけで十分ありがたいと感じている。

 この経験で改めて感じるのは、「なんで今?!」という時にこそ、想定外の事態は起きがちだということだ。思わぬハプニングに見舞われても、「起こって当然、なければラッキー」くらいの心づもりでいることが、心の平穏を保つ上で大切だと思う。

 今も、夫が「仕事をやめたい」と言えば「わかった」と言おうと決めている。夫だけでなく、子どもが「学校をやめたい」と言っても「わかった」と受け止めようと思っている。

 家族それぞれの心のさざなみを、ただただ“凪”に戻す場所。家庭とはそんな穏やかな時間が流れる場所であってほしい。そう思いながら、現在小5の次男とともに、2回目の中学受験期に向き合っている。

<プロフィール>

野田 茜

2男1女のママライター。2022年、高1長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値(四谷大塚)60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。

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