九九の早見表やひらがな50音表などから始まり、さまざまな種類の勉強をサポートしてくれる学習ポスターは、子どもが日常の中で自然に知識を身につけられる有効な学習ツールである。しかし「とりあえず貼って満足している」状態になってはいないだろうか。
どうせ貼るなら、より効果が上がる工夫をしてみたい。そこで、中学受験を塾に通うことなく家庭学習で乗り越えた息子(現在高校1年生)を持つ筆者が、実際に試して効果を感じた活用法を見ていこう。
まずは「こまめに貼りかえる」こと。「こまめ」と聞いてイメージする頻度は人それぞれだと思うが、筆者の場合はリビングでは1か月ごと、お風呂ではほぼ毎日といった頻度で貼りかえている。
理由は単純に見飽きてしまうからだ。どれだけ役に立つ歴史の早見表などであっても長期間同じものを貼り続けると、もはや壁紙の一部となり視界に入らなくなってしまう。学習ポスターが子どもの目に入る存在であり続けるためには、手間はかかるが定期的な更新が欠かせない。
ちなみに以前、1日に何度も利用するトイレには、四字熟語やことわざの日めくりカレンダーを壁に掛けていた。めくるだけで新しいページが出てくるので、手間がかからない。現在は長男と長女が大きくなり、子育ての手が離れて時間の余裕が出てきたので、毎日新聞の切り抜きを貼っている。
また、季節や生活の中の出来事とポスターを結びつけるのも有効である。七夕の時期には星空のポスター、単位の学習する週には単位のポスターなど、子どもが自然に興味を持てるタイミングを活用すると頭に残りやすい。今なら、大阪で開催されている万博と関連づけて、世界地図ポスターもいいと思う。
さらに、もし子どもとお風呂に一緒に入る機会があるなら、学習ポスターを眺めながら「こないだテキストに出たところだね」など、日々の学習や生活と結びつける言葉を添えるのもおすすめだ。ただし、ここでしつこく解説すると鬱陶しいと思われてしまうので、一言程度にとどめておく。あくまでも、楽しいお風呂での会話のワンシーンという演出だ。
中学受験の勉強は小4以降が一般的だが、学習ポスターは幼児期からでも取り入れられる。家の中に学習ポスターがあるのが日常だった次男は、3きょうだいの中でいちばん抵抗なく知識を吸収してきた。先入観がない分、目にしたものをそのまま覚えている印象だ。
ポスターを眺める時間は1日あたり数分でも、1年に換算すれば大きな学びの時間になる。せっかく貼るなら、ただ貼るだけで終わらせずちょっとした工夫でポスターの力を引き出してみてはどうだろうか。
<プロフィール>
野田 茜
2男1女のママライター。2022年、高1長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。