2月に入り、新学年のスタートが近づいてきました。
ポストには毎日のように塾のチラシが入り、「そろそろ塾に行かせた方がいいのか?」「今の塾のままでいいのか?」と悩まれている親御さんも多いのではないでしょうか。
多くの親御さんは、まずチラシの「合格実績」を見ます。
「〇〇高校 〇〇名合格!」
「偏差値〇〇アップ!」
その数字を見ると、「ここに入ればうちの子も…」と期待してしまうのは当然です。
しかし、集団塾業界には「3割の生徒、7割のお客さん」という残酷な言葉があるのをご存じでしょうか。
実際に成績が伸びて合格実績に貢献するのは上位3割だけ。残りの7割は、その実績を作るための「授業料を払うだけのお客さん」になってしまっている…という意味です。
「合格実績」が素晴らしい塾が、必ずしも「わが子を大切にしてくれる塾」とは限りません。
大切なわが子を「お客さん」にしないために、見るべきは「わが子と塾との相性」です。
今回は、入塾後に後悔しないための「3つの相性」についてお伝えします。
①「集団」か「個別」か(学習目的との相性)
まずは、お子さんが「今、何を求めているか」による授業スタイルの相性です。
【集団塾が向いている子】
・たくさんの学習内容を、短期間でインプットしたい
・ライバルがいると燃えるタイプ
・学校の授業スピードについていけている
集団塾はカリキュラムが決まっており、ハイスピードで進みます。「先取り学習をしたい」「全体像を早くつかみたい」という場合は効率が良いですが、一度つまずくと置いていかれるリスクもあります。
【個別指導・少人数が向いている子】
・苦手な科目や、特定の単元に絞って学習したい
・自分のペースでじっくり考えたいタイプ
・大人数の中で質問するのが苦手
「ここだけを重点的にやりたい」「前の学年に戻って復習したい」という場合は、集団塾のペースは合いません。オーダーメードで対応できる環境が必要です。
②「管理型」か「自由型」か(性格との相性)
次に、塾の雰囲気(校風)との相性です。
・管理型(スパルタ系):宿題の量が多く、やることを全て決めてくれる→向いている子:強制されないと動けないが、言われたことはコツコツできる子。
・自由型(面倒見系):生徒の自主性を尊重し、アットホームな雰囲気→向いている子:縛られるのが嫌いで、のびのびとした環境の方が質問できる子。
親御さんが「管理してほしい」と思っても、お子さんが「縛られるのが嫌い」な場合、反発して勉強嫌いになるだけです。「ここなら息苦しくない/または、ここならサボれない」とお子さんが感じる環境はどちらでしょうか?
③「教える先生」か「引き出す先生」か(指導との相性)
最後は、先生との相性です。ここは体験授業で必ずチェックしてください。
・一方的に解説する先生:授業はわかりやすいが、生徒が考える時間は少ない。
・問いかけて引き出す先生(コーチング的):「どうしてこうなると思う?」「次はどうすればいい?」と生徒に発言させる。
成績が本当に伸びるのは、「先生の話を聞いている時」ではなく「自分で脳を使って考えている時」です。
体験授業の後、お子さんに聞いてみてください。「先生の話、面白かった?」だけでなく、「授業中、考える時間はあった?」と。
最後に:わが子を「その他大勢」にしないために
どんなに有名な塾でも、お子さんが「お客さん」扱いされてしまっては意味がありません。逆に、小さな塾でも、先生が一人一人を大切に見てくれる環境なら、驚くほど伸びることがあります。
2月は多くの塾で体験授業が行われています。ぜひ、「合格実績」という看板だけでなく、「ここなら自分を見てくれる」とお子さんが安心できる場所を選んであげてください。
<プロフィール>
鈴木詩織
受験コーチング協会代表理事。中学受験・高校受験・大学受験を目指す親子向けの受験コーチングをオンラインで行う「おうち受験コーチング」のサービスを展開。4000家庭以上の親子の受験に向き合う。著書に『おうち受験コーチング』『子どもが自走する言い換えビフォーアフター』共著に『おうちエニアグラム』いずれもみらいパブリッシング。