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気づかないまま進行…大腸がんは「症状がないうちに見つける」ことが大切

悠々〜ライフ

谷光 利昭 谷光 利昭
画像はイメージです(saichon/stock.adobe.com)
画像はイメージです(saichon/stock.adobe.com)

 最近、有名人が大腸がんに罹患した、あるいは大腸がんで亡くなられたという報道を耳にする機会が増えました。私自身、日々診療をしていて、大腸がんの患者さんが増えているように感じます。

 では、血便や腹痛などの症状が出てから病院を受診すればよいのでしょうか。私は、そうは思いません。

 大腸がんの代表的な症状として、排便時の出血、血便、便が細くなる、便秘や下痢などの便通異常、腹痛、腹部膨満感などが知られています。しかし実際には、早期、進行の大腸がんでであっても、ほとんど症状がありません。さらには、かなり進行したがん、末期のがんであっても、症状がほとんどないことがあります。

 特に注意したいのが、上行結腸や横行結腸など、肛門から離れた部位にできる大腸がんです。直腸やS状結腸にできるがんと比較すると、便通異常や目に見える血便などの症状が現れにくく、気づかないまま進行することがあります。つまり、「症状がない=大腸がんではない」ではないのです。日本人に多いとされているS状結腸、直腸がんですが、最近、内視鏡をしていると上行結腸、横行結腸に前がん状態といわれている腺腫病変を発見することが多いです。

 では、どうすればよいのでしょうか。

 日本では40歳以上の方に、便潜血検査による大腸がん検診が推奨されています。簡便で非常に有用な検査ですが、便潜血が陰性だからといって大腸がんやポリープを完全に否定できるわけではありません。便潜血が陽性であれば、症状がなくても大腸内視鏡検査、いわゆる「大腸カメラ」を受けることが重要です。また、年齢や家族歴、過去のポリープ歴などによっては、医師と相談して大腸内視鏡検査を検討することも大切です。

 大腸カメラというと、「苦しい」、「時間がかかる」、テレビでも言われていましたが「30分以上かかる大変な検査」と考えている方も多いようです。しかし、内視鏡機器と技術は大きく進歩しています。経験豊富な施設では、大腸の一番奥である盲腸まで3分程度で到達することも珍しくありません。その後は、見落としがないよう時間をかけて丁寧に観察します。もちろん、大腸の長さや走行、腹部手術歴などによって挿入時間は異なり、ポリープを切除すればさらに時間が必要になります。

 また、現在では鎮静剤を使用し、眠っているような状態で検査を受けられる施設も増えています。以前に比べれば、大腸カメラはずっと受けやすい検査になっています。

 私が皆さんに一番お伝えしたいことは、大腸がんは「症状が出てから見つける」のではなく、「症状がないうちに見つける」ことが大切だということです。

 何も症状がない今だからこそ、40歳を過ぎたら定期的に大腸がん検診を受け、必要に応じて大腸カメラを検討してみてはいかがでしょうか。

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