初めての1人暮らしを始めた20代女性のAさん。引っ越しを終え、荷物の片づけをしているときに「両隣の部屋には挨拶した方がいいのかな」と考え始めた。
ネットで調べてみると、「良好な関係を築くために挨拶は必要」という意見がある一方、「防犯のため、単身女性はしない方がいい」という声もある。これらの情報から「近所の人と顔を合わせておいた方が安心だけど、1人暮らしだと知られるのは不安」とAさんは迷ってしまった。
Aさんのように、引っ越しの挨拶をするかどうか迷ったら、どう判断すればよいのだろうか。また、挨拶をする際はどのような点に気を付ければよいのか。一般社団法人日本防犯学校の桜井礼子さんに話を聞いた。
引っ越し挨拶をするなら、一人暮らしだと悟られない対策を
ー近年、引っ越し挨拶に対する考え方は変化していますか?
考え方は多様化していると思います。ですが、防犯の面からも、両隣と上下の部屋には挨拶をした方がいいと思います。どのような人が住んでいるか把握しておけば、自分なりに心構えもできるでしょう。
ー女性の1人暮らしの場合、引っ越し挨拶で注意すべき点はありますか?
1人で行かないことが大切です。できれば年の近い男兄弟、もしくは異性の友人と行くようにしてください。男性と一緒に行くことで「1人暮らしではないのかも」と相手に思わせることができます。
「両親と一緒に」と考える方もいるかと思いますが、おすすめはできません。保護者が挨拶をすることで、逆に独り暮らしだと悟られやすくなります。
ー「1人暮らしであることを知られたくない」という考えについて、どう考えますか?
その考えは、年齢や性別に関係なく大切なことだと思います。現代は男性やお年寄りも襲われる時代です。極力1人暮らしであることを悟られないように、生活していただきたいと思います。
ー挨拶をする場合、防犯面で気を付けることはありますか?
ご高齢の方の場合、息子さんや娘さんとご挨拶に行った方が安心です。共同住宅はいわばひとつの地域です。生活を始めた後も、敷地内で会う人には会釈をするなど、日頃から顔を合わせておくことが防犯につながります。
ー挨拶以外にも、新居で最初に確認しておくべき防犯対策はありますか?
防犯については、物件を決める段階から確認しておくことが大切です。
最低でもオートロックと防犯カメラが付いている物件を選ぶようにしてください。エントランス扉の内側と外側、エレベーター、集合ポストにカメラが付いている建物であれば、なお安心です。
インターフォンと部屋の鍵もチェックしましょう。インターフォンは最低でもカメラ付きのタイプ、鍵は施錠するとデッドボルトが鎌状にせり出す鎌鍵タイプがおすすめです。
◆桜井礼子(さくらい・れいこ) 防犯アナリスト
一般社団法人日本防犯学校学長。日本初の女性防犯アナリストとして、事件現場の検証や取材に携わる。子どもや女性、高齢者、住宅・地域の防犯対策などを分かりやすく発信し、「予知防犯」を提唱している。
▽一般社団法人日本防犯学校公式ホームページ
https://j-ss.org/