修行中のお坊さんの食事と言えば、動物性の食材を用いない質素な食事をイメージする人が多いだろう。
今、SNS上で大きな注目を集めているのはそんな修行中のお坊さんを支える「加行メシ(けぎょうめし)」の存在。
きっかけになったのは漫画家の大賀零さん(@scorpionzero2)が現役のお坊さんに取材して描いた漫画『本当にきついお坊さんの修行日記』(ぶんか社コミックス)。
おかゆにタクアンなど慎ましすぎる食事にもかかわらず血色のいい顔をしている修行僧たち。彼らはなんと数日に一度の食事当番の際におかゆの中にマヨネーズや佃煮、醤油などをぶちこんだ加行メシをこっそり食べていたというのだ。
たしかにお坊さんも人間。足りない栄養素を補ってくれる何かがないと、若い修行僧たちが健康を維持できるはずがない。
大賀さんにお話を聞いた。
ーー修行期間はどれくらいあるものなのでしょうか?
大賀:真言宗の修行は「得度(とくど)」、「受戒(じゅかい)」、「加行」、「灌頂(かんじょう)」の四段階で行われます。得度、受戒、灌頂は1日ないし2日ほどで終わりますが、泊まり込みで行う加行は前半50日、後半50日の計100日行われます。学生は長期休暇を利用して参加する人が多いようです。
粗食で過ごさなければならないのはこの「加行」の期間だけであり、終わった瞬間にみんな打ち上げで大いに飲み食いするそうです。
ーーおかゆ以外にも一応いろんな料理が出るんですね。
大賀:取材したお坊さん曰く、昼飯に時々出てくるあぶらげ、こんにゃくが入った精進カレーは楽しみだったそうです。また蕎麦派だったこともあり、コシがまったくない高野うどんは苦手だったとか。
ただ修行を続けられるぎりぎりのカロリーで何日も生活するので、修行が終わりに近づく頃にはみんな打ち上げで何を食べるかで頭が一杯になるようです。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
大賀:多くの方に楽しんでいただき、お坊さんの世界を身近に感じていただけたのは嬉しいです。
中には実際に修行したという方々からの体験談などもあって、各所で様々な事例があると知れてとても興味深く読ませてもらいました。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「煩悩消せてなくて草」
「全寮制の高校生だった頃、 さすがにここまでの事は無かったが、 お米は無制限でも『おかず』は最初の一皿で終わり。 エネルギー消費が激しい高校生男子がおかずが無くなってもお米を食べ続けるアレンジ高カロリー食がマーガリン醤油ご飯。」
「昔、新人研修で厳しい禅寺に1週間入ったけどこれより粗食だったな……終わった後ダイエーのフードコートで100円ラーメン食べて泣いたw」
など数々の驚きの声が寄せられた加行メシの存在。
なお大賀さんは現在、『銭甕-ぜにがめ-』をコミックシーモアなど各配信サイトで連載中。漫画家のアシスタントをしている万年金欠の主人公・カズヤと不思議な甕のストーリーを描いたホラーサスペンス漫画だ。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
【大賀零さん関連情報】
▽Xアカウント
https://x.com/scorpionzero2
▽本当にきついお坊さんの修行日記(ぶんか社コミックス)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07RX4YG38
▽コミックシーモア『銭甕-ぜにがめ-』
https://www.cmoa.jp/title/331811/