石川県といえば、古くは加賀友禅などで知られ、現在も繊維産業が集積し、“繊維王国”の顔を持つ。
だが2024年1月1日に発生した能登半島地震で多くの会社や工場が被害を受けた。そんな業界の復興を支援する「石川応援プロジェクト」が展開されている。この「―プロジェクト」は、石川県内の企業による工程を2つ以上担う商品にのみ付けられる下げ札を作成、1枚につき50円(税抜き)で販売。売上の一部を義援金として石川県に寄付し、被災地の復旧・復興に活用にあてるというもの。
フォーマルウェアの大手・東京ソワールも、今回このプロジェクトに参加することがわかった。ブラックフォーマルに使用する黒い生地は、一口と言っても深みがあり、普段着用する洋服の黒とは手に取れば明らかに違いがわかる。同社は2016年から石川県産のジャカード生地を用いたフォーマルウェアの商品開発を行い、販売してきた。協業先であるコマテックス株式会社(石川県能美市)とは、企画・産地・工場の垣根を越えた意見交換を重ね、フォーマルウェアにふさわしい生地を一から作り上げてきたという。今回「国内産地の技術と文化を未来へ残したい」と、プロジェクト参加が実現。石川県の繊維産地支援にブラックフォーマル1600着分の応援下げ札を発注した。
北陸ジャカード生地は、黒一色である喪服と相性が良く、立体感のある織柄でありながら主張は控えめで端正。儀礼の場にふさわしい品格を生み出すという。その生地を使用したブラックフォーマルはジャケット+ワンピースのアンサンブルで、23日から全国の量販店や、オンラインストアで発売される。
コマテックスでは、自社のジャガード生地について「肌あたりがやさしく、締め付けや硬さを感じにくいので、長時間の着用でも体へのストレスが少ない点が特徴」だとし、「お客様には、完成した商品だけではなく、その背景にあるものづくりの物語も感じていただければ」と製品への自信と愛着を伝えた。東京ソワールも「日本各地の繊維産地や機屋と協業し、製品づくりを進め、産地とともにフォーマルの価値を紡ぎ、ものづくりの未来に寄与してまいります」とコメントしている。