もし夜道を歩いていて、ふと足元に「星」が落ちていたらあなたはどうするだろうか。そんな絵本のような出来事を、温かく美しい独特な世界観で描いた漫画『星を返す』(作・ミヤギトオルさん)が、「子どもの頃を思い出した」とSNSで注目を集めている。
物語は、父親と息子が夜道を散歩した帰り、道端で弱々しい光を放つ星を見つける場面から始まる。息子が両手でそっと星を包み込むと、父親は「だいぶ弱ってるな。家に帰って看病してやろう」と言い、親子は迷わず星を連れて帰ることにする。
家に戻ると、父親は「まずは湯を沸かす。あとペットボトル二本用意しといて」と、何もわからない息子に手際よく指示を出し、まるで星の世話に慣れているかのように動きはじめる。息子が用意した砂糖水をそっとスプーンで星に飲ませると、しばらくして黄色い光が少しずつ強まり、息子はホッとした表情に。
そして元気を取り戻した星を、2人は拾った場所へ連れていく。夜空の黒に向かって、星はキラキラと輝きながら上昇していき、光が闇に溶けていく様子は、まさに絵本のようだ。星が星空のひとつになった時、息子は「あいつ願いごと叶えてくれないかな?」とつぶやくが、父親は「あんな小さい星じゃ無理だろうなぁ……」と淡々とした口調で返すのだった。
読者からは「このお話素敵すぎる」や「砂糖水なのは金平糖に似てるからかな〜」、「子供時代を思い出して胸が温かくなった」など素敵な話に心温まるという声が多く寄せられた。そこで、作者のミヤギトオルさんに同作について話を聞いた。
ー制作のきっかけやアイデアなどがあれば是非教えてください。
きっかけは昔弱ったスズメの子を介抱したことがきっかけです。
ネットで調べて半日部屋で世話をしたあと、ベランダに出したら、母親が迎えにきました。
その時ネットに描いてあったことを参考に描きました。
ー同作を制作された際に気にかけたことなどあれば教えてください。
お父さんを優しく描きすぎないことに気をつけました。
星をモチーフにしていますし、少しドライな要素がないと甘々になってしまうなと思いまして。
ー最後に伝えたいことがあればお願いします!
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