漫画家・鹿子(しかこ)さんが2025年11月8日に、脈絡膜悪性黒色腫のため亡くなっていたことが22日、分かった。37歳。同日未明に、ヤングマガジン編集部や鹿子さんが作画を担当した「満州アヘンスクワッド」の公式X(旧ツイッター)に掲載された文書で公表された。
【読者のみなさまへ 大切なお知らせ】と題した文書で「『満州アヘンスクワッド』の漫画担当である鹿子先生が2025年11月8日に脈絡膜悪性黒色腫のためご逝去されました。37歳でした。鹿子先生の素晴らしいご活躍に感謝と敬意を表すると共に、心よりご冥福をお祈りいたします。」と伝えた。
続けての投稿では「鹿子先生からは生前に『自分の身に何かあった場合は代筆の方を立てて物語を完結させてほしい』という言葉を預かっておりました。」と“遺言”があったことも明かした。「代筆をお願いする方については未定ですが、編集部として鹿子先生の想いを継ぎ『満州アヘンスクワッド』を完結まで導いていく所存です。」と作品を継続させていく思いも明かした。
鹿子さんは今年10月27日に、自身のXで2023年夏に脈絡膜悪性黒色腫と診断され、2024年末には他臓器への転移が確認されたことを公表していた。「これまでなんとか治療と連載を両立してきましたが今回治療に専念するため不定期連載にさせて頂くという判断に至りました」としていた。
「満州アヘンスクワッド」は、門馬司氏が原作、鹿子さんが作画を担当。第二次世界大戦前の旧満洲国を舞台に、主人公の日方勇がアヘンビジネスに関わっていく姿を描いたクライム・サスペンス作品だ。2020年4月から「コミックDAYS」で連載がスタートし、2021年9月から「ヤングマガジン」に掲載誌を移し、連載が続いていた。今年11月6日には単行本の22巻が発売されていた。
22日の報告文書にはヤングマガジン編集部、原作者の門馬司氏、担当編集者である白木英美氏のコメントも添えられている。門馬氏は「『もう鹿子先生の描く世界を見られない』頭にあるのはずっとその悲しみです」と無念の思いを吐露した。
白木氏は「心の底から尊敬できる、偉大な作家でした。」と敬意を示した。約6年間、共に作り上げてきた「満州アヘンスクワッド」をヒット作に育て上げたことなどを振り返り「これから先、鹿子先生のいない世界をすぐに受け入れることはできません。偉大な作家のあまりに早い旅立ちに、深い悲しみを覚えています。」と心境をつづった。「『満州アヘンスクワッド』を最後まで描き続けてくださったこと。そして6年間、ともに歩ませていただいたことに、心より感謝申し上げます。どうか安らかにお眠りください。鹿子先生、本当にありがとうございました。」と悼んだ。