映画「ワイルド・スピード」シリーズで知られる俳優ヴィン・ディーゼルが、元アシスタントの女性から起こされていた性的暴行に関する訴訟について、ロサンゼルス郡上級裁判所がすべての訴えを棄却した。アスタ・ヨナソンの訴えは2010年に『ワイルド・スピード MEGA MAX』の撮影中、アトランタのホテルで性的暴行を受けたとするもので、ディーゼル側は一貫して否定していた。
ダニエル・M・クロウリー裁判官は、時効のために10件中4件をすでに棄却しており、残る6件についても今週「管轄権の欠如」を理由に退けた。判決文では「性的暴行がアトランタで起きたとされる点については、異論が出ていない」とし、ヨナソンの主張がカリフォルニア州法に基づいているため、州外には適用できないと判断された。
2022年にギャビン・ニューサム州知事が署名した「性的虐待と隠蔽責任法」により、2009年以降の一部の性的暴行事件が再審可能となったが、この法律もカリフォルニア州外には適用されないと裁判所は結論づけた。
ヨナソン側のマシュー・ヘイル弁護士は、「裁判所は事実の真偽について判断していない。今回の棄却は法的技術性に基づくものであり、控訴を予定している」とコメント。一方、ディーゼル側のブライアン・フリードマン弁護士は、「この根拠のない訴訟に終止符が打たれたことに感謝している」と述べた。
ヨナソンは2023年に起こした訴訟の中で、クラブから戻ったディーゼルから自室へ招かれ、性的暴行をされたと主張していた。