大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)が18日、府庁での定例会見で、台湾有事と存立危機事態に関する高市早苗首相の国会答弁に中国が反発を強めていることについて「存立危機事態に関する総理の発言は、僕は撤回する必要はないと思います」と述べた。
吉村氏は「個別具体的な事実関係のもとで存立危機事態となりうるというこの見解については、過去の政府答弁と変わらないというふうに思います。そこから飛び越えているものではない」との見解を示した。「中国にていねいに説明していくということが重要だと思っています。ただ、これを撤回するというものではない」と強調した。
中国の薛剣(せつけん)在大阪総領事が高市首相の国会答弁に関連し「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」などとX(旧ツイッター)に投稿したことについて「外交官として非常に不適切だというふうに思います。この点について謝罪するべきだと私は思います。謝罪も今もない中で、中国の薛剣総領事が主催する行事やイベントに、僕は大阪府知事として出席はしません」と非難した。
薛剣氏の国外退去を求める声があることについて、維新代表としてどう考えているかを問われた吉村氏は「今の状態であれば、薛剣総領事のペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)、これをやるべきだというふうに思います」と、国外退去に同意するとした。
記者団から、中国政府が国民に対し、日本への渡航自粛を注意喚起したことについて「お店の方とかから、観光客などが減るんじゃないかという不安の声がある。今回の事態を、知事としてどう受け止めているか」と問われた吉村氏は「中国人観光客が減るということは、実際そうなる。これは、中国において行われる手段のひとつ。中国人観光客だけに頼るビジネスモデルというのは控えたほうがいい。中国人観光客が減っても、少なくなってもゼロになっても、それが成り立つビジネスモデルを目指してほしい」と呼びかけた。