2歳頃の子どもは、言葉を爆発的に覚え始め、身の回りのものに強い興味を示す時期だ。そんな時期の息子との日常を、親バカ目線でユーモラスに描いた漫画『子育ての醍醐味みたいなものを感じた』(作・武村沙紀さん)がSNSで話題を集めている。
同作は、作者の息子である和太郎君が2歳半の頃の実話をもとにしている。和太郎君はその当時、語彙も増え「楽しい」「悲しい」といった感情の言葉も自然に使うようになっていた。そしてある日、絵本を読んでいたとき、ふと「この子は〇〇したら、うれしむ?」と尋ねてきた。
突然の聞きなれない言葉に、武村さんは一瞬戸惑いつつも「うん、嬉しいだろうねぇ」と返答した。その後、よく考えると「楽しい→楽しむ」「悲しい→悲しむ」と活用できるのだから、「嬉しい→嬉しむ」も法則としては正しいことに気づく。
この出来事をきっかけに作者は「なぜ嬉しむは聞かないのだろう?」と夫にも話すと、夫も初耳だった。そして2人で我が子が言葉の活用に自ら気づいて応用したことに感動するのだった。
読者からは「一応辞書で調べるという行為がすばらしい。あるんだ…!!」や「うちの長女も言います…!」等の声があがっている。そんな同作について、作者の武村沙紀さんに話を聞いた。
ー和太郎君の教育で気にかけていることはありますか?
言葉だと、一般的に良いとされてる「実況」は産まれた頃からやっていました。今も、なるべく沢山の言葉を耳に浴びせようと思っています。
何かあって泣いた時、泣いた後に「泣いてもいい、けど泣くだけじゃ和太郎のほんとに伝えたい事が、ママ達にはわからないんだ。和太郎には言葉があるから、言葉で言ってごらん。そしたら和太郎のほんとに伝えたいことがママ達にもわかるよ。」と、2歳前後の子に、伝わってるか伝わってないか関係なく、そう言うようにしていました。
そして今はこうだったね、次はこうしたらいいのかな?と一緒に出来事や気持ちを言葉にして振り返っていました。
ー「子によって思わぬ知識がアップデートされる」とありますが、印象に残る出来事があれば教えてください。
印象的だったのは、前にnoteに描いた子供と歌う「幸せなら手をたたこう」の歌詞への違和感から、意味を調べてたら、その背景に戦争があった事です。
小さい頃も歌詞には違和感があったのですが、大人になり子育てで改めてこの歌に触れなければ調べなかったと思います。
<武村沙紀さん関連情報>
▽書籍『手をつないだ事も無いまま会って5回目で結婚する2人の話 武村沙紀作品集ーエッセイ編ー』
▽X(旧Twitter)
▽note