日常の中で、夫婦の小さなすれ違いや行き違いは誰にでもあるものだ。ほんのささいなことが、思っていた以上に心を寂しくさせることもある。SNSで育児や日常を描くぬぴさんは、そんな出来事を漫画に描き、多くの共感を呼んでいる。
ある日、ケーキ屋で美味しそうな食パンを見つけたぬぴさん。ケーキ屋のパンならきっと間違いなく美味しいはずだと期待し、夫が喜ぶ顔を想像しながら購入。次の日の朝食にみんなで食べようと胸を弾ませていた。
ところが翌朝、夫は「1時間ほど走ってくる」と言って出かけてしまう。一緒に味わいたかった思いは叶わず、仕方なく子どもたちと3人で食卓を囲んだ。パンはやはり絶品で、子どもたちは「いつもより美味しい!」と笑顔で完食したが、ぬぴさんの心の奥には物足りなさが残った。
すると長男がふと「パパと一緒にパン食べたかったの?」と問いかけてきた。そんな話を一切していないため驚かされたが、「いつもより美味しいパンをみんなで食べたかったんだ」と答えると、「それは悲しかったね」と寄り添う言葉を返してくれた。
その優しい一言に救われるような気持ちになり、さらに長男は帰宅した夫にも同じ思いを伝えてくれた。それから「朝ごはんはみんなで食べよ」という提案に夫も耳を傾け、ぬぴさんの伝えたかった思いが子どもの口を通して自然に届いたのだった。同作について作者のぬぴさんに、話を聞いた。
ー食パンは家族みんなで食べるのを想像して購入されたのでしょうか?
米粉が入ったパンは夫の好物なので、「きっとみんなで美味しく食べれるだろうな」と想像しながら買いました。
ー旦那さんが走りに行くと聞いたとき、どんな気持ちでしたか?
「もう少し待ってくれたら…」と思う気持ちと、「気温が上がらないうちに早く走ったほうがいいんだろうな」という気持ちが交錯してました。
ー息子さんが寄り添ってくれることは普段からよくあることですか?
わたしが少し沈んでるといつも一番早く気がついて労いの言葉をかけてくれます。とても優しい息子です。
ー息子さんが旦那さんに伝えたとき、旦那さんはどんな反応をしましたか?
ハッとしたような表情をしていました。しっかり向き合って息子の言葉を聞いてくれたんだなと思いました。
ー「朝ごはんはみんなで食べる」という提案は、今も続いていますか?
今も続いています。夫は朝走りたい時には早朝、朝ごはんの前に走るようになりました。
<ぬぴさん関連情報>
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