宝塚歌劇団月組トップスター・鳳月杏主演のミュージカル「GUYS AND DOLLS」が26日、本拠地の兵庫・宝塚大劇場で初日を迎えた。
1950年にブロードウェイで初演。宝塚では1984年に月組の大地真央と黒木瞳で上演され、以来何度も再演を重ねられた。今回は新たな演出で、現代的にスピーディーになった場面もあり、新しい「GUYS―」が誕生した。
鳳月演じるギャンブラーのスカイが、仲間のネイサンから「指名した女を口説き落とせるか」という賭けを申し込まれる。その相手にお堅いことで有名な救世軍の娘サラが指名されるが…。
172センチと長身で手足の長い抜群のスタイルを誇る鳳月杏は、スーツ姿がよく似合う。背中からも男役として、ギャンブラーとしての色気が匂い立つ。ダイスを振る指先まで繊細で、見る物を魅了する。サラに対しても、当初は余裕を感じさせながらもいつしか本気で惹かれてしまう心の動きを見事に演じ上げた。
サラ役のトップ娘役の天紫珠李は歴代のサラよりも大人っぽい雰囲気で、生真面目さを漂わせた。
ネイサン役の風間柚乃は芝居巧者で、二枚目から悪役、コメディまで、どんな役を演じても、きっちりと血肉を通わせ、生き生きとした人物に仕上げる。今回も、どこか憎めないネイサンを作り上げ、14年間恋人を待たせ続けても、離れていかない愛嬌を感じさせた。
ネイサンを14年間待ち続ける恋人アデレイドは役替わりで今回で退団する彩みちると、彩海せらが演じる。初日は彩が演じ、とにかくキュートなアデレイドになった。その一方で、待ち続ける悲哀も感じさせ、娘役としての集大成となった。またサラとのやりとりも心にしみた。
9月7日まで。東京宝塚劇場は10月4日~11月16日。