宝塚歌劇団専科から宙組に組替えとなったスター水美舞斗(みなみ・まいと)の、新天地お披露目ともなる「RED STONE~悠遠なる叫び~」が10日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日を迎えた。6月20日〜29日にKAAT神奈川芸術劇場で上演され、今回タカラジェンヌにとって“第二の故郷”であるドラマシティでの上演となる。
1920年、第一次世界大戦後の深刻な経済状況下に置かれていたイギリスの、小さなミュージックホールで働くで働くヴォードヴィリアンのアレックス・カニンガムが、敵討ちを胸に秘めイタリアから出稼ぎに来たジーノ・ロッシと、医療ボランティアのバーバラ・ディーダラスと偶然に出会ったことで、初めて自分の祖父の人生と向きあうことになる。ジーノが落とし、バーバラが拾った“赤い石”。そしてジーノを助けるために事故にあったアレックスがその時に見た“夢”。この2つがアレックスの家族の過去を掘り起こし、思いもよらない結末を招くことになる。
花組から専科に異動し、今回宙組に組替えになった水美にとって、今回が宙組デビュー作となる。そこにいるだけで太陽のような明るさが魅力。今回も真ん中で、ぐいぐいと回りを引き込んでいった。ヴォードヴィリアンということで、劇中のダンスシーンも多かったが、指先まで神経が行き届いた、圧巻の踊りを見せた。
相手役のバーバラを演じたきよら羽龍(きよら・はりゅう)も月組からの組替えで、今回が宙組デビュー。美しい歌声を披露した。
また物語の鍵を握り、水美とのシーンも多いジーノ役の鷹翔千空(たかと・ちあき)は芝居心があり、舞台を盛り上げた。
15日まで。