第27回参院選が20日、投開票され、今回の結果いかんでは公職選挙法における国政政党の条件を失う可能性のある社民党の福島瑞穂党首と服部良一幹事長が同日深夜、都内で会見を行った。
1945年11月に結成された前身の旧社会党から、今年で日本の〝戦後〟と同じ80年の歴史を重ねた社民党だが、国政政党の座を失う〝崖っぷち〟の中にいる。
公選法における国政政党の条件は「国会議員5人以上」か「直近の国政(衆院か参院)選挙で得票率2%以上」のいずれか。社民党の国会議員は今選挙前まで衆参合わせて3人で、うち1人(副党首の大椿裕子参院議員)が今回改選を迎えていた。比例区には俳優でタレントのラサール石井氏も名を連ねて注目されていた。
会見は20日午後11時から始まったが、福島氏は「まだ政党要件の『2%以上』が出ていないので、必死で見守っている段階です」と語るにとどめた。
その時点で判明している選挙結果の大勢について、福島氏は「自民党の大敗」と「参政党の躍進」について見解を語った。与党が大幅な議席減となる見込みを受け、福島氏は「厳しい国民の審判が出つつある。それはひとえに消費税減税も企業・団体献金禁止法案など国民のための政治をやらなかったこと」と指摘する一方、参政党の躍進について「強い危惧を感じています」と明言した。
福島氏は「憲法案に基本的人権をほとんど配備していないこと、主権は国にあるといった、そういう参政党が躍進することで、国会の中において、今後、スパイ防止法をはじめとして〝憲法改悪〟の議論が進むのではないか。今後(自民党と)何らかの形で手を組むということになると、憲法改悪やスパイ防止法など、右派政権ができるので、それに対して非常に警戒をしております」と懸念した。
同氏は「現時点において、社民党が推薦した立憲民主党を中心とした候補に当確がでたことにはうれしく思っています。本当にまともな『立憲野党の政権』ができればいいと社民党としては思っています」とした。