第27回参院選が20日、投開票され、兵庫選挙区(改選数3)に無所属で出馬した元兵庫県明石市長で弁護士の泉房穂氏(61)が当選を確実なものとした。投票締め切りの午後8時にNHKなどが当確を打った。明石市長を退任時に宣言した「政治家引退」を撤回し挑んだ選挙戦。「私の仕事は今日がスタート」と国政にのぞむ。
午後8時と同時に当確の報道が流れると、神戸市内の選挙事務所は支援者の歓声と拍手に包まれた。当確の知らせを受けて、会場に姿を現した泉氏は会場一体となった万歳に頭を下げ続けた。「私自身は万歳はしませんでした。私の仕事は今日がスタート」と17日間の選挙戦でかすれ切った声を絞り出した。「国民に負担ばかりを押し付ける政治を終わらせて、国民の生活を支える政治を作り上げる。万歳は今ではなく国民が笑顔になってから私自身も万歳したい」と意気込んだ。
泉氏は2003年、衆院選兵庫2区に民主党(当時)公認で立候補。選挙区で落選したが比例で復活し、衆院議員を1期務めた。2011年からは明石市長を3期12年務めており、市長退任時には「これからは“プレーヤーとして”ではなく“応援団として”やっていきたい」と政治家引退を宣言していた。今回はその意向を翻しての出馬。3月末の出馬会見では「前言撤回です。当然強いご批判を受けるのは覚悟」とした上で「ただ、自分がやらないと誰もやらない」と現状の国政を見て、再び立ち上がったことを明かしていた。