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カッパの「ガジロウ」が神戸に降臨!〝日本民俗学の父〟柳田國男の世界観「水辺の妖怪たち」展が19日開幕

北村 泰介 北村 泰介
カッパのガジロウ。川で子どもたちの〝尻子玉〟を抜くという伝承がある(兵庫・福崎町提供)
カッパのガジロウ。川で子どもたちの〝尻子玉〟を抜くという伝承がある(兵庫・福崎町提供)

 夏は怪談の季節。古来、伝承されてきた妖怪たちが〝躍動〟するシーズンに、「妖怪水族館〜身のまわりにひそむ水辺の妖怪たち〜」と題した展示が19日から9月15日まで、神戸市の兵庫県立兵庫津ミュージアムで開催される。

 「身の周りにひそむ水辺の妖怪たち」がテーマ。説話集「遠野物語」で知られる〝日本民俗学の父〟柳田國男(1875 - 1962)の出身地である兵庫・福崎町のキャラクターにもなった「カッパのガジロウ」の等身大パネルが登場する。そして、その〝本物〟も開幕日をはじめ、開催期間中に計2度、姿を現すという。

 兵庫津ミュージアムの山下史朗館長は当サイトの取材に対して「ガジロウは等身大の写真を貼り付けた二次元のパネルで、記念写真撮影スポットにもなっています。〝本物〟は7月19日と8月11日の交流会イベントの時に来館します」と説明した。

 福崎町の公式HPによると、このガジロウは柳田の回顧録「故郷七十年」に登場。「川で待ち伏せていて、遊びに来た子どもたちのお尻から、尻子玉(※人間の尻の中にあるという架空の臓器)を抜いてしまう愉快なヤツ」だという。そのほか、兵庫県に伝わる水辺の妖怪伝承が、柳田による「河童研究」のきっかけをパネルに記した解説文などで紹介される。

 また、香川・小豆島にある「妖怪美術館」から世界中のポップな妖怪アート作品28体が出品される。2018年に開館した同館は、蔵や工場、古民家、倉庫などをリノベーションした4棟にテーマ別の妖怪アート作品を展示。今回、その〝妖怪〟たちが瀬戸内海を渡って神戸に上陸する。

 さらに、漁業での役割を終えた漁網を使ったアート「明石の大ダコ」も展示され、見ごたえのある立体造形が注目される。漁網迷路や妖怪クイズなどを通して環境問題や水辺の危険と水難事故防止について学ぶコーナーもある。

 山下館長は「展示作品にはなかなかシュールな風刺もありますし、面白い作品が多いです。また、地元兵庫県の偉人・柳田國男を知っていただく機会でもありますので、夏休みの機会に妖怪という存在に触れていただくきっかけになれば」と期待を寄せた。

 開館時館は9時30分~18時。月曜休館(祝休日の場合は翌平日)。観覧料は大人800円、大学生600円、シニア(70歳以上)400円。高校生以下は無料。

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