「ジュラシック・パーク」シリーズのグラント博士役で知られる俳優のサム・ニール(77)が、ジェームズ・ボンドのオーディション参加を無理強いさせられたという。俳優人生の中で3つの役柄でオーディションを受けたことがあるというサム。1つは1979年公開の「わが青春の輝き」でハリー・ビーチャム役を獲得した。一方、1987年からの「007」シリーズではティモシー・ダルトン、1990年公開の「プリティ・ウーマン」ではリチャード・ギアに敗れる結果となった。
「サンデー・タイムズ」紙のカルチャー誌にサムは「ニュージーランドで、『テロリストたちの夜/自由への挽歌』(1977年公開)を撮り終えた時に、自分の道を歩むきっかけとなった『わが青春の輝き』のオーディションがあったんだ」と語った。「人生で3回オーディションを受けたと思う。残りの2回は落ちた。1986年に意地悪いエージェントからジェームズ・ボンドのオーディションを受けさせられて落ちたよ。もう一つはボンドと違って、こっちはとてもやりたかったんだけど、『プリティ・ウーマン』だ。両方とも『他に良い人がいる』って言われた。もちろんその通りだったわけで」と正直に明かした。
北アイルランドで生まれ、ニュージーランドで育ったサムは、俳優を仕事にできるとは想像もしていなかったそうだ。「遠く彼方の、無名の小さな町出身の自分にとって、俳優になれるなんて全く思っていなかった。一瞬たりともね。今でも驚いている」
そして英国の俳優、故ジェームズ・メイソンが自分の人生を変えたとしてこう続けた。「アレック・ギネスからジョン・ミルズ、アラステア・シムまでイギリス俳優と映画を愛して育ったんだ。けど初めて本当に憧れたのはジェームズ・メイソンだ。特に『海底二万哩』の素晴らしさには感動したよ」とコメント。「彼はとてつもないカリスマ性を持ち、私の師となった。20代後半の時に私はオーストラリアで仕事をしていた。彼と彼の奥さんが航空券を送ってきて、『君の仕事が好きだし、海外でキャリアを積むべきだと思う。スイスの私の所に来ないか?』って。彼は私の人生を変えたんだ」と大切な出会いを振り返った。