参院選(20日投開票)に社民党から比例代表候補として出馬した俳優・タレントのラサール石井(69)が6日、都内のJR新宿駅東口で演説を行い、「コント赤信号」のメンバー・小宮孝泰(69)も応援に駆けつけた。その場所は、かつて出演した伝説のバラエティ番組を生放送していた「スタジオアルタ」の入ったファッションビル「新宿アルタ」の前。今年2月の閉館から解体工事中の同所にちなんだ「伝説コントの決めゼリフ」を再現する一幕があった。
「アルタ」と言えば、タモリ司会の「森田一義アワー 笑っていいとも!」(82年10月~2014年3月)の公開生放送スタジオがあった場所と連想されるが、石井は「昔ね、みなさん覚えてないと思いますけど、『笑っていいとも!』の前に『笑ってる場合ですよ!』というのがあったんですよ」と前身番組の名を挙げた。
「笑ってる場合ですよ!」は1980年10月から82年10月まで、フジテレビ系で平日正午からの1時間枠で、80年にオープンした新宿アルタ内のスタジオから公開生放送されていた。漫才ブームで人気絶頂だったB&Bが月曜からの金曜まで司会を務め、ザ・ぼんち、ツービート、島田紳助・松本竜介、明石家さんま、西川のりお・上方よしおらが日替わりでレギュラー出演。この顔ぶれは同局のヒット番組「オレたちひょうきん族」(81年5月~89年10月放送)に引き継がれていく。
石井は「月1回、そこでコントやってたので、アルタは非常に懐かしい。そこで『サッ、サッ、ニ~シキ』とかやってますからね」と、「笑ってる場合ですよ」で初披露した赤信号の代表作「ササニシキ・コント」の決めゼリフを披露した。
田舎から都会に出て行こうとする青年役の石井を、お婆さん役の小宮が引き止める…といったやりとりの最後に、小宮が両手を振りながら「サッ、サッ、ニーシキ…ニーシキ…ニーシキ…」と声にエコーを効かせながら終了するネタで、暴走族コントと並ぶ赤信号の代表作となった。
石井は「各地を回っている中で、まさかここで街頭演説をやるとは夢にも思わなかったから、感慨深いです」と思い出に浸っていた。