エンターテインメント性の高いコンテンツだけでなく、学習系の動画も多く投稿されているYouTube。しかし「これは受験勉強に使えるのではないか」と考えて最適な動画を探してみても、動画が多すぎてどれを見ればいいのか分からなくなってしまう人は多いだろう。そこで、筆者の長男(現在高校1年生)が中学受験の勉強をしている際に観たYouTube動画のなかから、本人が「非常に役立った」と絶賛した動画をあげていく。
まずはYouTubeチャンネル「家庭教師てつおう【暗記ch】子供のハートに火を灯す」の「年号ソング」シリーズだ。根っからの理系で暗記が苦手な長男の鬼門である社会の歴史分野の攻略に役立った動画である。
この動画では、かつてミュージシャンを目指していたプロ家庭教師のてつおう先生が、自作の音楽にのせて年号を覚える歌を披露している。奈良時代や鎌倉時代など時代ごとにメロディが変わるため、飽きずに楽しく学べる構成だ。
歌の面白さだけでなく、年号ソングに合わせて先生が両手で同時に絵を描いていき、歌の年号に関連するイラストを一気に描き上げていくのも面白い。その技量は観ていて思わず息をのむほどで、長男だけでなく筆者もすっかりてつおう先生のファンになってしまった。
小学6年生の後半にこの動画と出会った長男は、「これがないと危なかった。観ていて本当によかった」と絶賛している。
一方で、勉強の合間の息抜きとして楽しんでいたYouTubeチャンネルもあった。それがYouTubeチャンネル「0時間目のジーニアス」の「語彙コント」シリーズだ。2人の男性が登場し、「本末転倒」「空前絶後」など中学受験に必要な語彙を、ユーモアたっぷりのコントで紹介してくれる。
動画1本あたり数分という短さも、隙間時間に視聴するのにちょうどいい。筆者の家庭では、受験本番が近づき心に余裕がなくなってくる小学6年生の後半、寝る前の歯磨きタイムに数本ずつ視聴し、大笑いしてリラックスした気分で眠りにつくのが日課となっていた。
何が学習に役立つかは予測がつかない。ただ、これほど多様なコンテンツが世の中に存在する以上、「当たれば儲けもの」くらいの気持ちで、いろいろ試してみる価値はあるといえる。
◆野田茜(のだ・あかね) 2男1女のママライター。2022年に長男が完全塾なしで中学受験をし、偏差値60半ばの中高一貫校へ進学。現在、小5次男が通信教材を利用し自宅学習で中学受験に挑戦中。自身は中学受験未経験で大学まで公立育ち。中学受験の問題の難易度にまったく歯が立たず、逆に子供に教えられる。「ママ、教えてあげよっか?分かる?」と次男に心配される日々。