法人会員向けにクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社はこのほど、全国の20~50代の男女800人を対象に「賃金引き上げに関するアンケート」を実施、結果を公表した。
1年前の給料からの変化について聞いたところ、約半数が「変わらない(49.9%)」と回答し、3人に1人が「上がった(33.0%)」、約1割が「下がった(9.6%)」と答えた。勤務先別で傾向に差があり、公務員や大企業では「上がった」が多く、中小企業では「下がった」が目立つ結果となった。
また、給料が「上がった」と回答した人に賃上げ率を聞いたところ、5%以上の昇給は全体の7.2%にとどまっていることが明らかとなった。約半数で昇給が行われていない実態からも、世間一般には春闘における平均賃上げ率5.4%に遠く及ばない状態であることが読み取れる。
給料が「上がった」と回答した人に昇給理由を聞いたところ、「職歴・評価等に基づく定期昇給(72.0%)」が最も多く、「物価高騰によるベースアップ(37.9%)」「会社業績によるベースアップ(18.6%)」と続いた。勤務先の規模を問わず7割超の企業で定期昇給が行われた一方、「会社業績によるベースアップ」では、報酬が会社業績に連動しやすい役職者や、近年の業績が好調な大企業で実施されやすい傾向に。また、「物価高騰によるベースアップ」は中小企業(29.7%)と大企業(47.5%~48.0%)で約20ポイントの差が生じ、物価上昇に対する賃上げの取り組み状況に大きな差があることが明らかとなった。
同社は「円安などの影響から物価高が進み、賃上げが求められる中、春闘の平均賃上げ率(5.4%)は、2025年3月の物価上昇指数(3.6%)を上回り、一見すると、大半の企業で物価上昇以上の賃上げが行われているようにみえる。しかし、調査の結果からは、5%以上の賃上げが実現している人は全体の1割にも満たず、変わらないと回答した人を含めた半数以上で、昇給が物価上昇に追い付いていない実態が明らかとなった。理由として、賃上げが進んでいる大企業層では業績が良好な状態であるのに対し、中小企業層にその余波が届いておらず、賃上げのための利益確保に至っていないことが考えられる」としている。