個人旅行者の利用を念頭に、海外での移動や滞在について紹介したガイドブックとして知られる『地球の歩き方』。今、SNS上ではそんな『地球の歩き方』の中国編に記載されている「中国入国時の注意」が注目を集めている。
「地球の歩き方に書いてあるこれえぐい」と件の記載を紹介したのははるさん(@citns21)。
「中国入国時の注意
中国での入国審査時に本書を見つけられ、没収される、別室に連れていかれる、などのトラブルが発生しています。
没収は空路ではなく陸路の国境で起きるこ とが多く、理由はそのときその場の審査官によりさまざまです。おもに中国側の政治的立場に基づく何らかの事由を理由として述べるようですが、本書には直接、あるいはなんら関係がないことであっても咎められる事例が報告されています。
話し合いで解決できる余地は一切ありませ ん。したがってトラブルをできるだけ避けるために、入出国手続きの際には本書を目に触れない所へしまっておくことをおすすめします。書類の記入例などは、該当ページをコピーしたり、切り取ったりして書類記入時の参考にするよう対処してください。ただし、2019年5月には、チベット自治区の陸路国境でX線検査の書籍チェックで本書を没収されたという報告があり、この場合は対処は難しいといえます。万一、トラブルが発生した際には、在上海日本国総領事館(→P.90)にご連絡ください。」
『地球の歩き方』は政治や信条とは関係ない一般的なガイドブック。にもかかわらず持ち込んだだけでトラブルの元になってしまうとは…。
SNSユーザー達から
「今からその本持って中国行くんだが空路だからいけるかな」
「反スパイ法で厳しいからね
実際中国出張用に業務用のアプリ以外全くインストールされてないスマホを貸し出す会社もあるらしい」
「先月、天安門広場行く時に手荷物検査があって
リュックに入れてたこの本を見つけて、かなり細かく中身をチェックしてましたね。
本は没収されませんでした」など数々の声や情報提供が寄せられた今回の投稿についてはるさんに話を聞いた。
ーー今回『地球の歩き方』を手に取った経緯は?
はる:以前より初めて行く旅先へ訪れる際にはその国におけるマナーをはじめとし、細かな注意事項まで載っている地球の歩き方と、いわゆる映えなどを意識している様な他のガイド本を併用していましたので、今回上海ディズニーへ行く予定があり、初めて中国への入国だったのでその準備のために近所の図書館で借りました。
ーーこの記載をご覧になったご感想を。
はる:例えば「治安が悪いです」などといった記載であれば特段驚きはないのですが、まさか「本書が税関にて没収されます」といった記載を目にすることになるとは思っていなかったのとともに、私自身もご飯どころの参考のためにこの本を持ち込もうと思っていたので前日にこの記載を見かけ、素直に驚きました。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
はる:翌日に中国入国を控えていたこともあり、仲間内で「こんな記載があってびっくり!」という驚きを共有するつもりで投稿したものがここまでの反応をいただき、没収される旨の文章を見かけた時よりも驚いています。
また中国への入国審査前日から当日にかけて当該ポストがバズってしまいとても気まずい思いをしました(笑)。今振り返って思えば、直近の日本政府の動向含めて現Xのアクティブユーザーが反応しやすい内容だったかなと思います。
そして投稿から24時間以内に自分の知らぬところで以前より知っていたネットまとめサイトやYouTubeなどにこの件が取り上げられているのは大変驚きました。一つ誤解のないようお伝えするとすれば、もとより私は中国に対してニュートラルに考えています。なので当該ポストもプラス、マイナスの感情無しで単に驚きを共有したものになります。そして実際に今回中国に訪れ、中国語が不自由な私たちに対しても親切に対応していただいた現地の方々には大変感謝しています。
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今回話題になった記載について出版元の株式会社地球の歩き方に問い合わせたが、コメントを得ることはできなかった。
在中国日本国大使館ホームページの「安全の手引き」によると、スパイ活動防止の観点から「(手書きのものを含む)地図を所持するだけで、その対象とみなされる可能性があります。」「中国の政治・経済・文化・道徳に有害な印刷物や記憶媒体(ポルノ含む)は持ち込み禁止です。中国国外では一般的な内容であっても「有害」とみなされる場合があります(特に地図)」ということだ。
なお今回の話題を提供してくれたはるさんはSNSやブログを通し“ポイ活”情報を発信中。ホームページ「各種紹介コードなどまとめ」でそのノウハウを紹介しているので、ご興味ある方は要チェックだ。
はるさん関連情報
Xアカウント:https://x.com/citns21
各種紹介コードなどまとめ:https://zenn.dev/haruki_h/articles/3eaa0220ad3040
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在中国日本国大使館ホームページ「安全の手引き」:https://www.cn.emb-japan.go.jp/files/100764689.pdf