弁護士の紀藤正樹氏が26日夜に更新した自身のX(旧ツイッター)で、斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題をめぐり、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に情報を提供した兵庫県議に対する処分に対して「先例として次の悪弊を誘発するのではないか」との見解を綴った。
日本維新の会は、告発者の私的情報などを記した文書を立花氏に渡す席に同席していた岸口実県議は「除名」、音声データや告発者の私的情報に触れた自作のメモ(備忘録)を立花氏に提供した増山誠県議は「離党勧告」という処分を26日に下した。2議員は共に今後も無所属で県議を続ける考えを示した。
岸口氏は維新の公認を受けた際に「除名処分を受けた場合、辞職する」という誓約書を交わしていたが、「方向性は同じ。(維新の)施策については後押し、応援をしていきたい」と辞職を否定。増山氏は23日に行った会見の時点で離党届を提出したことを明かしている。
紀藤氏は「そもそも増山氏は、維新に既に離党届を出しており、離党勧告では何の痛手もない状態。維新は再発防止というなら、議会のルールに反し反党行為とも評価できる行為を行った増山議員に甘すぎる処分ではないか。これでは先例として次の悪弊を誘発するのではないか」と問題提起した。
この投稿に先立つポストで、紀藤氏は「岸口氏が除名で増山氏が離党勧告は不可解。平委員とはいえ非公開の百条委のルールに反し隠し録音したこと行為は大問題で増山氏も除名相当ではないか」とも指摘していた。
紀藤氏の投稿に対してXユーザーからは「直近では大阪府議が離党勧告を受けた事例が3件ありますが、いずれも半年強で何事も無かったように復党しています」「『無所属で県議続ける』ですって。こうなると思った」「前代未聞の悪質な事件だと思います」「公にした理由は、百条委員会で行われている実態を県民の為に、県民に知らせねば、と言う思いでしょうね」「そんな大問題じゃないだろ」など、相反する意見が続いた。
百条委員会についてはさまざまな情報が事前に報道されるなどしており、2議員だけが“漏洩”したとはいえない状態。別の百条委メンバーが公のイベントで内情を語る様子などもつたえられている。