斎藤知事 県警本部長の「県民の分断」指摘に「人によって様々」「行政が個人間の問題に立ち入るのは難しい」

杉田 康人 杉田 康人
定例会見に臨んだ兵庫県の斎藤元彦知事
定例会見に臨んだ兵庫県の斎藤元彦知事

 兵庫県の斎藤元彦知事(47)が5日、県庁での定例会見で、兵庫県警の村井紀之本部長(57)が一部紙のインタビューで「分断を止めたかった」などと、2024年11月の兵庫県知事選後も県民の分断が残ると指摘したことについて記者団から認識を問われた。

 村井本部長は1月20日の県議会警察常任委員会で、同月18日に死去した元百条委員会メンバーで前県議の竹内英明さんが逮捕される予定だったとのSNS上の情報を「全くの事実無根。明白な虚偽がSNSで拡散されている」と否定する異例の対応を行った。1日の読売新聞のインタビューで、兵庫県の現状について「分断が根深い状態。竹内前県議の死をきっかけにその分断が根深くなった」などと語っていた。

 斎藤氏は「個別のSNSの書き込みをすべて私は見ていることではないし、見れないという物理的なこともありますけども…SNSでいろんな意見が出るということは、SNSのひとつの状況としてはいろんな問題であるんだというふうには認識している。ただ、それが結果として人を傷つけたり誹謗中傷につながるようなことは望ましくない」と、SNSに対するこれまでの認識を改めて示した。

 一方で「行政としては個人間の問題、やり取りの問題に立ち入るっていうことは難しいとは思いますけれども、モラルやルールを意識した正しい利用の仕方というものは大事というふうに思っている。県警本部長も、こないだの委員会等の中で、捜査状況という客観的事実を知るトップとして、発言されたというふうに受け止めている」と述べた。

 記者団からは「県警本部長は竹内さんの死をきっかけに分断が深くなっているという現状認識だが、知事として、分断が深くなったという認識がないということか」と問われた。

 斎藤氏は「分断というものは、何をもって分断というのかっていうのは様々、人によってあると思いますけれども、SNSにおいていろんな意見が対立したり、過熱するっていう状況はあらゆる世界、分野である。それがやはり、過熱し過ぎたり誹謗中傷などにつながっていくのはやっぱり良くない。SNSを利用される皆さんがしっかり注意をしていくということが大事」と答えた。

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