世界文化遺産である韓国・屛山書院(ビョンサンソウォン)の柱にくぎを打ち、小道具を設置したことが物議を醸しているKBSドラマ「主役の初体験、私が奪っちゃいました」が、該当撮影分を廃棄することとなったと同社が発表した。
問題の場所で撮影した分に加え、屛山書院を背景とした全てのカットが廃棄処分となるという。
これは6日に、安東(アンドン)市から受けた、廃棄要請に応じる形での対応。KBSは、別途放送媒体を通して謝罪文を公開しており、撮影ガイドラインの修正も行う予定だ。
今回の文化財毀損行為は、建築家のミン・ソホン氏により暴露された。ミン・ソホン氏は2日、Facebookにて「先月(昨年12月)30日午後3時ごろ、屛山書院に寄った。屛山書院は、史跡第260号であり、ユネスコ世界文化遺産に登録されている、重要文化財だ」「数人のスタッフが、小道具の設置のため柱にくぎを打っていた。ある中年の男性が抗議し、僕も『文化財に傷をつけてもいいのか』と口添えした」と投稿。
さらに、「当時スタッフは『安東市から許可を得ている。気になるなら市庁に問い合わせてくれ。許可をもらっていると何度説明すればいいんだ』と逆ギレした」と説明し、波紋を呼んだ。
大衆からの非難が殺到すると、KBSは謝罪コメントを公開。「理由がどうあれ、事態の深刻さに気づき、申し訳なく思っている」「屛山書院関係者と現場を確認し、復旧のための手順について話し合っている。再発防止策や、今後発生し得る被害についても、積極的に議論する」と伝えた。
あるネットユーザーは、国民新聞庫の請願を通して「文化遺産の保存と、活用に関する法律第92条(損傷または隠匿等の罪)第1項に違反した容疑で捜査すべきだ」と主張。慶尚北道(キョンサンブクト)警察庁がこれを確認し、安東警察署に引き渡した。
KBSが屛山書院での撮影分を全て破棄することを決定したため、俳優たちは撮り直しを余儀なくされた。