韓国・ソウル市が14日、上岩洞(サンアムドン)ソウルワールドカップ競技場の芝生保護を理由に、来年からコンサートなどの文化イベントは「グラウンド(芝生)エリアへの座席設置を禁止する」とし、条件付きで貸し出しを許可することを明らかにした。この件について15日、〝韓国の歌姫〟IU(アイユー)のファン団体「IUギャラリー」が「芝生問題の責任転嫁をしている」と反発、声明文を発表した。
同団体は「来週、ソウルワールドカップ競技場で開催予定のIUコンサートが、正常に行われるというニュースに大きく安堵したが、無能なソウル市の行政力を非難せずにはいられない」「競技場の芝生問題は、全面的にソウル施設公団の管理不行き届き責任」と批判。そして「ソウル施設公団を管理・監督するソウル市は、芝生問題に対して責任を感じ、ソウル市民へ謝罪の姿勢を見せることが道理であるが、まるでIUのコンサートの影響で、来年からグラウンド席販売を制限することになったかのように、世論を誘導している」と怒りをにじませた。
続けて「オ・セフン市長は、〝グラウンド席販売制限〟で真実をごまかすのではなく、ソウル施設公団の監査を通して〝芝生管理問題〟の原因を、徹底的に解明するなどの再発防止に乗り出すことを、強く要請する」と伝えた。
〝グラウンド席販売を制限〟という案が出たのは9月5日、同競技場で「2026 北中米サッカーワールドカップ」のアジア地域予選(韓国対パレスチナ)が行われた後、「さまざまなイベントに競技場を貸し出したせいで、芝生がひどく損傷し、代表チームが本来の力を発揮できなかった」という指摘が出たためだ。
また、韓国代表のキャプテンであるソン・フンミン選手(トッテナム・ホットスパーFC所属)が11日(現地時間)、オマーン・マスカットのスルタンカブース競技場で行われたオマーン戦後に「グラウンドの状態がとてもよく、選手たちはより自信をもってプレーできた」「こういう部分が、ホーム競技場でも改善されてほしい」と言及した。
以降ソウル市は、コンサートや文化イベントへの貸し出し自体を禁止する案を検討したが、コンサート観覧の需要があることと、現在ソウルに2万人以上を収容する大きな会場がないため、部分貸し出しのみを許容するとした。
9月21日、22日に行われるIUのコンサートは、約10万枚のチケットがすでに完売しているため、予定通り開催される。主催者側は公演当日、大規模な人が一堂に集まるため、事前に案内されたグラウンド使用マニュアルを厳格に遵守し、注意事項と行動規範などに対する事前教育を実施するなど、芝生管理にも力を注いでいるという。