みなさんは「京都大学」(以下、京大)と聞いて何を思い浮かべるだろうか。頭がいいというのはもちろん、“特にユニークな学生が多い大学”というイメージを持っている人は少なくないだろう。
そんな京大を舞台にした学園ラブコメ『ヨシダ檸檬ドロップス』は、TVアニメ化もされた『結婚するって、本当ですか』や『神のみぞ知るセカイ』を手がけた若木民喜さんによる作品だ。以前若木さんのX(旧Twitter)に第1話が投稿されると、約3000もの「いいね」や800件ほどのコメントが寄せられている。
1浪した末に京大に入学した主人公「山川可志夫」は、全国から奇才や天才が集まる京大の中で「勉強ができる」という唯一の個性を失い、“京大生恐怖症”になってしまう。
また、生協の書店のアルバイトを通じて先輩の「西大路一巳」や「三嶋岳」と知り合い、出会いの輪が広がるなか、ある日、可志夫は、大学構内で女子プロレス同好会の試合を目の当たりにする。
京大唯一の女子レスラー「ザ・サンシャインキッド」こと「沢北陽子」の迫力に圧倒されていると、可志夫が目に入った陽子は「カシオくん!?」と声をかけ…。
京大を舞台に繰り広げられる日常やまさかの急展開に対し、読者からは「一気読みしてしまった」「京大の雰囲気が感じられて面白い」などの声が。そこで作者の若木さんに、同作を手がけたきっかけについて話を聞いた。
―同作を描いたきっかけを教えてください。
京都大学を題材にマンガを、という話は以前からあったのですが、ボクが在校していたのが30年も前ですから、ムリだろうと思っていました。すると元京大生の若い編集者が担当になり、その編集さんの「今の京大」の話が面白かったのです。その担当さんの話と、ボクの思い出を組み合わせれば何かしら面白い話が描けるのではないかと思い、始めてみました。
―え!若木さんも京大に通われていたのですね!
「通っている」という意味では怪しいものですね。かなりサボってましたので。ただ、生き方としてはあの場所で京大生として棲息していたのは確かです。いやなヤツでした。
―読者に向けてメッセージをお願いいたします。
大学生の有り余る時間と生命力、その副作用としての不安や憂鬱。それは梶井基次郎(京大の元となった第三高等学校の卒業生である小説家)の時代から全く変わってないように思います。そういうものに対して、いろいろな脱出口を学生たちが作っていく。そういう話になればいいなぁと思っています。
<若木民喜さん関連情報>
▽X(旧Twitter)
▽『ヨシダ檸檬ドロップス』第1巻(Amazon)
▽『ヨシダ檸檬ドロップス』はWeb漫画サイト「ビッコミ」でも連載中