BTSやTOMORROW X TOGETHER(トゥモローバイトゥギャザー)らを擁する芸能事務所HYBE(ハイブ)が、役員閲覧用として作成した「音楽産業リポート」の一部内容について、業界に波紋が広がっていると28日、韓国メディアのスポーツ京郷が報じた。
HYBE社内で作られたというこの文書は24日、国会文化体育観光委員会 国政総合監査で初公開された。文書には、自社の所属アイドルはもちろん、ほかの芸能プロダクション所属のアイドルに対する外見を原色的に評価する内容が記述されているという。それ以外には、プライベート問題やオンラインコミュニティー世論、バイラルマーケティング意見などが取り上げられていたと伝えた。
週刊形式で報告されるこの文書は、音楽評論家として活動し、現在はHYBEの子会社であるWeverse(ウィバース)カンパニーが発行する「Weverseマガジン」の編集長が、HYBEのバン・シヒョク会長をはじめ、同社役員にメールで配布している。
スポーツ京郷が入手した「音楽産業リポート」の一部原本の内容によると、BoAや東方神起などが所属するSMエンターテインメント、BIGBANGやBLACKPINKなどが所属するYGエンターテインメント、2PMやTWICE、Stray Kidsなどが所属するJYPエンターテインメントなどの大手芸能プロダクションをはじめ、PENTAGONや(G)I-DLEが所属するCUBEエンターテインメント、MONSTA Xや宇宙少女、IVEなどが所属するSTARSHIPエンターテインメントなど、中小規模を含む多くの芸能プロダクションの所属アイドルに関する内容が記載されていた。
そこには、あるプロダクションに所属する新人ガールズグループのデビューについて触れ「驚くほどに、誰もかわいくない」などと指摘したり、別プロダクションのグループに関しては「ほとんど見分けがつかないほど整形をしたのに、みんなメンタル防御が、ほとんどできない環境に長期間露出された痕跡が強すぎて、それが特に外見やセックスアピールに表れている傾向が目立つ」と分析したりしている。
そんな生々しい文書内容が、国政監査で指摘された。「共に民主党」のミン・ヒョンベ議員は「未成年相手であることが問題」「アイドルに対する非人格的な認識と態度が、報告書に記述されている」と言及。現場にいた、ユ・インチョン文化体育観光部長官も「(表現などが)やり過ぎだと感じる」と伝えた。
この意見に対し、HYBEのキム・テホCOO(最高運営責任者)兼BELIFT LAB代表は「該当文書が、HYBE社内で作成されたことは事実だが、弊社の意見ではなく、モニタリング資料が含まれている」「この報告書が不適切だということを認め、このような問題が再発されないよう努力する」とした。
またHYBEは別の声明を出し「該当報告書は、エンターテインメント企業として、耳を傾けるべき内容であり、ファンのポジティブな評価も含まれていた」「報告書の一部にある刺激的な内容だけを切り取り、まるでHYBEがアーティストを批判している資料を作っているかのように見えるよう、外部に流出した勢力に対しては、最後まで責任を問う」と伝え「通報者摘発」の立場を出した。しかし、「通報者摘発」について、文化体育観光委員会議員たちから批判を受け、これを撤回している。
現在、同社の報告書内容が「単純なモニタリング伝達」なのか、「意見表明」であるかの論争が巻き起こっている。また、報告書内で言及された芸能プロダクション関係者は、直接的な怒りをあらわにしたという。
法務法人「存在」のノ・ジョンウン弁護士は、「当該内容は、他の大手企業の特定アイドルに対して実名を出して言及し、侮辱的な表現と虚偽の事実が多数含まれており、これは侮辱ないし名誉毀損に該当する可能性がある」とし「また、単純な内部役員報告用というが、実際に資料が外部に流出したことに照らして、HYBE内の役員以外の役職員が、資料を閲覧した可能性を排除することができない」と述べた。