映画作品の冒頭で映し出される、岩場に波が打ち付けるシーン…あの有名すぎる東映のロゴ映像。今SNS上では、あのロゴ映像の撮影地を聖地巡礼したという投稿が話題になっている。
東映は1951年に東京映画配給が東横映画、太泉映画を吸収合併し発足。ロゴの映像の三つの岩には三社の団結、激しい波には力強い文化を象徴しているとのこと。
聖地巡礼をしたのは、世界中の映画ロケ地を巡るキヤスさん。詳しく話を聞いた。
――場所は?
キヤス:「荒磯に波」と呼ばれるロゴの岩場があるのは、千葉県銚子市の犬吠埼灯台の崖下です。灯台の脇あたりから崖下を眺める形で確認できます。最寄駅は銚子電鉄の犬吠駅。駅からは徒歩10分弱。銚子電鉄は観光客を楽しませる工夫も沢山しており、楽しかったです。東京駅からは片道3時間ほどかかります。
――映像との違いは?
キヤス:ロゴの映像は長い歴史があるものの、定期的にアップデートされているんですよ。今劇場で観れる映像とは、岩の形は大きくは変わりませんでした。安全のため映像と同じ画角は立ち入り禁止で高い角度からしか見られませんが…灯台など映像の外側の景色も見えるので、新鮮でした。
昔ほど波が立たず、近年のロゴはCG加工も加えているそうです。私が訪れた時は風が強かったので、映像と同じくらい迫力がありラッキーでした。冬場の方が良い波が見えるかもしれません。
――実際に見た気持ちは。
キヤス:私は世界50カ国近くを旅し、建物だけでなく、『スターウォーズ』や『2001年宇宙の旅』の砂漠の岩場まで様々な映画のロケ地を巡りましが、東映のロゴの場所は特別に神聖に感じました。映画の中でも非常に観る機会が多い映像なので脳に染みついているのかもしれません。今までもワーナーブラザーズのロゴなど、複数の「映画のロゴ」の場所を訪れてきました。でも感激度で言えば、日本の「東映のロゴ」に軍配が上がります。自然そのものの魅力も十分。変化し続ける波や、風、音。五感を使って、直感的に楽しめる場所です。
――聖地巡礼の魅力とは。
キヤス:現地に立つと映画制作の裏側にある作り手の意図や工夫を感じ、想像できるのが魅力です。見た目と実際の違いの余白も分かる。そこで得た知識をもとに映画を見直すと、新たな発見も。観光以上の体験が得られます。もともと観光地であれば、それに映画の要素を加えて、ダブルで楽しめます。ロケ地と合致する場所を探して歩いている時は、宝探しのようなワクワク感。一石二鳥の旅と言えるのではないでしょうか。
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SNSでは「東北地方かと思ってた」「どこかなと思ってた」「銚子に住んでるのに初めて知った!」などの反響が寄せられた。「近くのレストランが美味しい」「売店もある」など観光地として楽しんだ方の声も。ご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。
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