イーロン・マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める米宇宙開発企業・スペースⅩの宇宙船クルードラゴンが地球周回軌道上に到達し、乗組員の男女2人が12日に宇宙船から出て、民間人としては史上初めて宇宙空間で船外活動を行った。
宇宙船のハッチは開かれた。41歳の実業家ジャレッド・アイザックマンさんが最初にカプセルから出て、地球上で見守る人々に向けて語りかけた。「地上ではみんなやるべきことが山ほどあるけど、ここから見ると地球はまさに完璧な世界に見える」。その後、同社のエンジニア、サラ・ギリスさんも続いて宇宙空間に飛び出した。
これまで宇宙で船外活動を行ったのは、数年にわたる訓練を受けた政府の宇宙飛行士だけだった。今回のミッションは、宇宙服の軽量化や宇宙船の船内を完全に減圧するプロセスなど、新装備のテストに成功したようだ。
スペースⅩは、人類を宇宙に定期的に送り届けることができる唯一の民間企業だが、そんな同社にとって今回は最も危険なミッションの1つを成功させた。アイザックマンさんは、このミッションの資金を提供した。電子決済会社の創業者であるアイザックマンさんは宇宙へ行くのは今回が2回目。数億ドルの費用がかかった可能性があるとされている。