初代タイガーマスクのライバルとして「虎ハンター」の異名を持ち、マスクをはぎ取るヒールスタイルで一時代を築いた元プロレスラー、小林邦昭さんが68歳で死去した事が分かった。
長野県小諸市出身の小林さんは1972年に新日本プロレスへ入門。翌年にデビュー。赤いパンタロン姿で初代タイガーマスクとの熱戦が注目を集めた。80年代には長州力らと「維新軍団」を結成し、全日本プロレスや新日本プロレスに参戦。「平成維震軍」にも参加した。1992年に大腸癌が発覚し、手術後復帰を果たすも、99年には肝臓への癌転移が判明。2000年4月、デビュー戦の相手を務めた獣神サンダー・ライガーとの引退試合で現役に別れを告げた。
引退後は新日本プロレスの道場長として指導にあたる一方、温かい人柄でも知られた。若手選手ではなく自身がちゃんこ鍋を用意することも多く、「昔と比べたら好き嫌いのある子が増えたからね」と、から揚げやフルーツなどサイドメニューを食卓に豊富にそろえた。「引退してからみっともない体になったら、ファンがガッカリするでしょ」とトレーニングを継続。2000年代後半から主に初代タイガーマスクを相手に限定復帰することへとつながった。一方で癌の再発を繰り返し、闘病を続けていた。
新日本プロレスを経て世界最大の団体WWEのトップレスラーとして活躍する中邑真輔は、自身のX(旧ツイッター)で「当時、道場の管理人になられた小林さんには自分を含め同期全員が道場でのイロハ、チャンコの作り方、時に稽古も…たくさんの事を教えていただきました。 ご冥福をお祈りいたします。 合掌」と追悼した。