スマホが必需品になったことで、外出先でも充電ができるモバイルバッテリーを愛用されている方も多いのでは。
しかし過充電やショートが原因の火災も多く報告され、ごみ捨て火災の被害はなんと100億円以上ともいわれています。分別されず他のゴミと一緒に回収され、ゴミ収集車の中や処理場火災が発生するケースが多いとのこと。SNSでゴミ収集車やトラックなどの情報を発信する「商用車メーカの中の人」さんに、モバイルバッテリーからの火災について話を聞いた。
――どういう仕組みで火災になるのですか?
商用車メーカの中の人:モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われていて、火災が起きる原因の多くは「熱暴走」という現象です。これは、バッテリー内部の化学反応がコントロールできなくなって、急激に温度が上がること。
温度が上がると、バッテリーが膨らんだり、内部にガスが溜まったりして、最終的には爆発や発火につながります。 廃棄の際に火災になる原因としては、強い衝撃などが原因で壊れショートする、高温になる環境により過熱で発火、などの可能性が考えられます。
――実際火災になってしまった場合、どのような被害が?
商用車メーカの中の人:ゴミ収集車の内部で発火し火災が発生すると廃車になることも。ゴミ収集車の価格は1000万円万円以上なので大損害です。火災が広がると、周りの建物や設備にも被害が及び、さらに被害額が増えることも…。物的損害だけでなく、作業員が危険に晒される可能性もあるので、注意していただきたいです。
――正しい捨て方は?
商用車メーカの中の人:モバイルバッテリーはリサイクルが推奨されていますので、自治体や家電量販店にある回収ボックスに入れていただくのが安全かつ確実です。
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商用車の中の人さんが投稿した、モバイルバッテリー廃棄注意に関するポストには、「収集車から煙が出ているのを見たことがあるが丸焦げで怖かった」「分別を徹底してほしい」「回収ボックスの場所の把握が大切」などの反響が寄せられました。
有害ごみとして収集している自治体もありますが、基本的にモバイルバッテリーを家庭ゴミとして廃棄することはできません。便利なアイテムですが、分別せず捨てると大変な被害の可能性が。端子部分にテープを貼るなど絶縁の対策をしてから、自治体やホームセンター、などに設置されている回収ボックスへ。慎重な分別を心がけたいです。
商用車メーカーの中の人
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