美しい港が、不気味な銀色に染まった―。ギリシャ南東部にあるボロスの港に大量の魚の死骸が漂着し、騒ぎとなっている。昨年、北アフリカから南欧にかけて大きな被害をもたらした低気圧「ストーム・ダニエル」によって増水した水が引き、海に押し流されため、淡水で暮らしていた魚が海水に触れたことで死に至っているとみられる。
行政や住民は頭を抱えるばかり。地元の議員は「魚の死骸は数キロメートルにわたっている。地元の漁師によると、パガシティコス湾の中心に広がっているらしい」
「もう1つの潜在的な問題は、病原体による広範囲にわたる汚染。これによりパガシティコス湾のイルカやカメなどが被害を受ける可能性がある。被害の全容はまだわかっていない。今後数日間で状況がどのように変化するかを見守る必要がある」
漂う死骸は悪臭を放っている。地元当局はすでに約40トンの死んだ魚を処分した。ギリシャでは近年、気候変動が原因とみられる激しい嵐や洪水が相次いで発生している。