ネアンデルタール人の賢さを示唆する証拠がこのほど見つかった。オーストラリア国立大学の研究チームは、スペインのピレネー山脈近くにあるアブリック・ピサロ遺跡を調査しており、この遺跡は10万年前から6万5000年前までのMIS4と呼ばれる時代に遡る。
今回、遺跡から発掘された動物の骨によって、ネアンデルタール人が周囲の環境に応じて食事の計画を立て、バイソンのような大型動物を仕留める道具を開発していたことが分かってきた。
また、ネアンデルタール人は大型の動物しか狩猟していなかったという説があったが、ウサギのような小さな動物も仕留めていたことが新たな証拠により判明。研究を指導するソフィア・サンパー・カロ博士は説明した。
「アブリック・ピサロでの驚くべき発見は、ネアンデルタール人がいかに順応性を持ち合わせていたかを示しています。私たちが発見した動物の骨によって、ネアンデルタール人がアカシカ、ウマ、バイソンを狩るばかりではなく、淡水のカメやウサギなども食べていたことがわかり、その計画的な行動が示唆されるかたちとなりました」