兵庫県明石市の前市長で弁護士の泉房穂氏が8日、自身のX(旧ツイッター)を更新。パワハラ疑惑で告発された兵庫県の斎藤元彦知事を巡る問題で、混迷を極める県政の停滞を打破する手段として「県議会が『不信任決議』をするのが現実的」との見解をつづった。
泉氏は「マスコミが報道を続けたところで、知事本人が開き直ってしまっている以上、状況は変わらない。『百条委員会』を続けたところで、事実関係の詳細が明らかになることも考えにくい。」とした上で、「県政の停滞を早期に打開するには、県議会が『不信任決議』をするのが現実的だと思う。」と提言した。
この問題について、泉氏は7日深夜に「首長(知事や市長など)の失職に向けての法的な手続きとしては、①『リコール』と、②『不信任決議』がある。①住民による『リコール』は戦後100件以上の実例があり、②議会による『不信任決議』も40件以上ある。知事に関しても過去に4つの実例(岐阜県、長野県、徳島県、宮崎県)がある。さて…」とXに投稿していたが、一夜明けて2点目に挙げた「不信任決議」を打開策の一案として提示した。
泉氏にとって生まれ育った故郷であり、現在も拠点とする兵庫県において、首長(明石市)を12年間務めた経験も踏まえて、今回の問題について発言を続けている。7日夜のX投稿では「告発されている7つの問題以前に、かねてから問題は指摘されてきていた。公約(女性副知事、少人数学級、給付型奨学金など)を守ろうともせず、いわゆる〝4人組〟に県政運営を丸投げし、県内市長らとも会おうともしてこなかった。県内市長らが苦言を呈するのも、もっともだ。」と指摘した。
さらに、泉氏は同日深夜に「組織の中枢たる〝人事課〟が『携帯を見せてほしい』とスマホのSNSを調査するなんて、グレーではなく、アウトだ。知事とその側近〝4人組〟によるやりたい放題が前々から言われていたが、ここまでひどいとは思わなかった。知事の『問題ない』との認識も理解不能だ…」と連続投稿した。
県の元幹部職員が知事のパワハラ疑惑などを告発した際に、県の人事課が別の職員の私物のスマートフォンを調べていたことを受け、斎藤知事が7日の定例会見で「調査手法として法的に問題がない」と回答したことへの違和感をつづった。