「私の力不足」沈痛な蓮舫氏に、盟友・辻元氏が激励のハグ「挫折した蓮舫は強くなる」「鎧を脱いで休んで」

北村 泰介 北村 泰介
都知事選開票を受けての会見の最後、敗れた蓮舫氏(左)と抱擁を交わして励ます辻元清美氏=都内
都知事選開票を受けての会見の最後、敗れた蓮舫氏(左)と抱擁を交わして励ます辻元清美氏=都内

 東京都知事選が7日、投開票され、午後8時の開票と同時に現職・小池百合子氏(71)の当選確実が報じられた。落選が濃厚となったことを受けて、前参院議員の蓮舫氏(56)は都内で会見し、沈痛な面持ちで「私の力不足に尽きる」と敗戦の弁を述べた。

 蓮舫氏は「子どもや若者への支援がシニアの支援につながる循環型の東京を作りたいという思いを全力で訴えたつもりだったが、結果として届かなかったのは私の力不足で申し訳ない」と頭を下げた。

 記者から国政(次期の衆議院選挙)出馬の可能性について問われると、蓮舫氏は「きょうは私の思いが届かなかった結果が出た日なので、それに対して私に何が足りないのか、少し考える時間をください。国政に(今回の都知事選が)与える影響について、私は今、答える立場にありません」と明言を避けた。

 一方で、同氏は「自分の中でピリオドを打てている気持ちではない。もう少し考えたい」と政治家としての今後には含みを持たせ、「私に何ができるのか、真摯に向き合って動けることがあれば動きたい」という前向きな思いも示した。

 メディア対応後、支援者から激励のエールなどが続いた後、盟友である立憲民主党の辻元清美代表代行がマイクを手にした。

 辻元氏は「蓮舫さんと一緒に多くの仲間や市民と戦えたことを誇りに思うし、新しい民主主義の形というか、スタンディングする人たちが増えてきた。その〝種まき〟をして芽が育った選挙だったんじゃないかと思う一方で、課題は蓮舫と一緒に分析していきたい…というのは前置きで、私が言いたいのは『負けた蓮舫を初めて見た』ということです」と指摘した。

 辻元氏は「政治家は挫折から学ぶことがものすごく大きい。これまで『勝ち続けた蓮舫、かっこいい蓮舫』だったが、今回負けたことで、さらに蓮舫は強くなると思うんです。人の痛み、倒れた人の悔しさが分かることで政治の糧にしていける。もちろん、勝ちたかったが、この結果は次に蓮舫が飛躍して、もっと大きな仕事をするための〝天命〟だったんじゃないか。だから良かったと思うし、一緒に戦う機会をいただいてありがとう、お疲れ様と言いたい」とエールを送った。

 「負けてよかった」。そして、「大きな仕事」という意味深な言葉と共に、今回の敗戦を前向きにとらえた辻元氏は「お互いに国会で仕事をして、鎧(よろい)を着て生きてきた。『スキみせたらアカン』とか、『戦い続けなアカン』とか、特に女性の場合はそうです。だから、『蓮舫』という鎧を1回脱いで休んで、この挫折を大事にしてほしい…と、挫折してきた辻元は思うのね。レンちゃんお疲れ様!頑張った!」と激励。両者は握手から熱い抱擁を交わした。

 最後に蓮舫は「戦わせてくれてありがとうございました」と笑顔を見せ、大きな拍手に包まれた。

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