時代による仕事の密度の変化がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは鉄心さん(@3rdtoy)の
「うちの親父も常々『今の若い奴は可哀想だ。昔は遠方の取引先まで書類を取りに行ったり、逆に取りに来るのを待ったりして、仕事の密度が薄かった。今はメールでやり取りして一瞬で終わるので、その分、更に働かされている。俺らの若い時の数倍働いてるよ。それなのに金は半分くらいだ。そりゃ働いてても…」という投稿。
鉄心さんの父は75歳。高度経済成長やオイルショック、バブル景気といった激動を経験し、仕事漬けになって社会と家族を支えたとされる世代にとっても、現代の労働環境は異様に映るようだ。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「親父さんの言う通り、効率化が進む現代では、かえって仕事量が増え、労働密度も上がってしまっています。今は短時間で多くの業務をこなさなければならず、負担が増えています。効率化は労働者にとって一概に良いとは言えませんね。」
「WEB会議が普及して遠くの客先まで…なんてことが減った。
効率的なんだけど、それが連日事務作業の息抜きにもなってた部分もあったのも確かで」
「昔は出張も泊まりがけでのんびりできたけど、交通網が発達して、日帰りが可能になって、出張がキツくなったとのこと」
「生産性を上げてその分みんなでサボったり休んだりしよう!じゃなくて、生産性を上げてその分生産性を上げよう!とか無限ループしてたら、どんどん過労死したり自殺したりしてしまうのは目に見えてるな。」
など数々の共感の声が寄せられている。鉄心さんに話を聞いた。
ーーお父さまの発言についてどう思われますか?
鉄心:親父の発言は純粋に息子ら世代を気遣ってものだと思います。また、親父は自分が会社を退職した後、暫く経って仲の良い部下だった人が過労で倒れてしまったことにショックを受けていました。それもあって、ああいう事を思うようになったんだと思います。
ーー反響へのご感想をお聞かせください。
鉄心:親父に対してのお褒めの言葉が多かったので単純に嬉しかったですね。自分の父親があんなに褒められることってまず無いものですから。
◇ ◇
機械化が進みインターネットも発達した現代だが、それにより人間社会に心の安寧がもたらされる兆しは一向に無い。どこかで折り合いがつく時代は果たして来るのだろうか。
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